中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4327回
金庫は香港においてそこから投資すれば

香港はタックス・ヘブンと言われる地域に比べると、
全くの無税ではありませんが、
次の3つの所得には税金がかかりません。
1つ目は銀行の利子所得、2つ目は企業の配当金、
そして、3つ目は1年以上たった不動産の売買による利益。
そして、もう1つは香港の人や企業が海外で得た所得。

それに対して香港の企業や
個人が香港で得た所得に対しては累進税はありませんが、
法人所得に対しては17%、
個人所得に対しては16.5%の所得税がかかります。
累進税率ではありませんから、
免税点を越える所得に対しては1万ドルだろうと
100億ドルだろうと税率は同じですから、
収入の多い人の免担税率はうんと軽く、
金持ちがもっと金持ちになるチャンスは
うんと大きいということになります。

また海外投資をやる場合、
たとえば日本から中国に投資をすると、
中国の企業が得た所得に対して中国政府は課税しますが、
その配当金が日本の出資者に送られてくると、
日本の国税庁の規定する税金をかけられます。
それに対して香港の場合は、一切、課税しませんので、
たとえば中国で投資をする場合、日本から投資をするよりも、
香港に会社をつくって
香港から投資する方が有利だということになります。

のちに私が「非居住者のすすめ」を書いた時、
「金庫は香港においてアジアで有利な所で稼ぎなさい」
とすすめたのは、
その方が日本から直接投資するより有利だと考えたからです。
私が香港で投資するためにつくった不動産投資の会社は、
これらの規定にもとづき、
ほとんどの所得に税金をかけられませんでしたので、
そっくりそのまま香港から北京や
上海や天津や成都に再投資できましたが、
全く無事息災だったというわけではありません。

税務署よりも一緒に投資に参加した人の中に
ゴロツキやヤクザや欲に目のくらんだ人がいて、
通せんぼをされたのです。
これも私にとっては全く予期しなかった新しいハードルでした。


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2012年1月14日(土)

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