知的財産ってわかりますか・中村佳正

無から有を生みたい人、必見

第5回
携帯電話は特許のかたまりです

特許をもう少し身近に感じていただくために、
携帯電話を取り上げてみたいと思います。
既に皆さんにとってはなくてはならない
生活必需品となってしまった携帯電話ですが、
いったい何件の特許が詰まっているか、想像できますでしょうか?
もちろん機種によって異なりますが、
おおよそのところで700〜1000件と言われています。
通信方式にまつわるもの、アンテナの形状についてのもの、
電力消費を低減するためのもの、画面表示に関するもの、
ボタン操作に関するもの、などなど。
手にとって見れば本当に小さな機器ですが、
ありとあらゆる部分に特許が詰まっているのです。

特許には色々な種類があります。
基本特許と呼ばれるもの、改良特許、周辺特許と呼ばれるもの。
基本特許はたいてい良い特許ということができますが、
改良特許や周辺特許だって基本特許に負けてはいません。
極端な例ですが、ある会社Aが基本特許だけを押さえていて、
別の会社Bがその基本特許を実用化するための
多くの周辺特許で包囲した場合、
ビジネス戦略上は、会社Bに圧倒的有利に働きます。
A社が基本特許を実用化しようとしても
ことごとくB社の周辺特許を侵害してしまうからです。

話を元に戻しますが、
携帯電話における基本特許といえば、
まずは通信方式に関する特許が挙げられると思います。
2.5Gとか3Gとかいった通信方式には
多くの基本特許が関わっています。

次に、携帯電話の周辺特許で特に際立ったものといえば、
少し独断が入りますけれども、
「電源キーの長押し」があります。
皆さんがお使いの携帯電話の電源キーは、
通話中にポンと押すと通話終了となりますが、
同じキーを「長押し」すると今度は電源オフになりますよね。
つまり、同じキーに対して、短い時間押すか、
あるいは長い時間押すかによって異なった動作をするこの機能、
実は立派な特許なのです。

特許発明だからといって仰々しく考えることはありません。
もちろん、高度な技術が特許されるというパターンもありますが、
こうしたちょっとしたアイデアも、
基本特許に負けない優良特許になり得ます。


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2007年8月30日(木)

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