元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第5
僕を見てください!ガンは「切らずに治す」こともできるのです

では「切られ損」の手術から
なぜ僕は逃れることができたのか?
それはインターネットの仕事をしていたことが幸いしたからです。
つまり、ガン病棟に、持ち運びの便利な
軽量のノートパソコンを持ち込んだため、
医師が説明してくれない詳しい情報や治療方法を、
ベッドの上に寝たまま、
インターネットのサイトから知ることができました。
ちょうど、軽さ1キログラムのノートパソコンが発売されたばかりだった
ことが幸いしました。
人間の運命に「たら」や「れば」は通用しませんが、
もし、発病がその1年まえでしたら、
情報収集の手だてのないまま、
僕は主治医の言いなりになって惨い手術を受け、
命を失っていたかもしれません。
一人一人の患者にとって、まさに「ガンは情報戦」です。

バイオ505Sという愛機を食堂やロビーにある公衆電話に繋ぎ、
米国のガンセンターから国立ガンセンターのサイトまで、
治療の合間にアクセスしました。
トイレの中でも自在にキーボードを叩けるのには助かりました。
いまでは、中年患者でもノートパソコンを持ち込む人は
増えていますが、当時は珍しかったのでしょうね。
若い看護婦や娘のような女性患者がさわりに来て、
「癌爺」が結構、モテたことを思い出します。

Yahoo!に「ガン」「抗ガン剤」「食道ガン」
などと検索キーワードを入れれば、
それこそ、1000も2000も研究論文や学会発表が引っ張り出せます。
よく高名な医師が書いたガン治療の本を読んでいると
「患者も勉強が大切だ。病院の図書館を利用しよう」
などと書いてあります。

しかし、どれほど図書館の完備した病院があるでしょうか?
仮にあったとしても、インターネットほど
リアルタイムな最新データは得られないでしょう。
さらに「切られ損」の手術を避けられたのは、
何人かの中年仲間が毎日のように
「無駄死にはするなよ」とメールで励ましてくれたからです。
もちろん、ベッドの上から闘病記を出版社に送信して、
2ヶ月後に単行本を出版できたのもインターネットのお蔭でした。
いまや「インターネットは命綱」の時代です。
仕事だけでなく「命の自己管理」にもパソコンは欠かせませんね。
もちろん、手術を拒否したからといって、
再発や転移の不安がなかったと言えばウソになります。
しかし、大学病院では出来ない治療法が
たくさんあるという知恵も授かりました。
僕を見てください。
「ガンは切らずに治す」…
患者の選択ひとつで、自分の運命を変えることも出来るのです。


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