元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第47回
「僕は仙人になります」と、天国に登った食道ガンの患者さん

納得した人生を歩んだ人ということで、
もう一人、見事な養生を心がけた患者さんを紹介しておきたいと思います。
ある日、昔の雑誌仲間のKさんという女性編集者から
1冊の画文集を贈ってもらったことがあります。
「毎日が、いきいき すこやか」(小学館)という本で、
著者は鮫島信子さんという女性です。
年配の夫婦がいかに長寿を楽しむかと言うエッセイ集です。
なかで、目を引いたのが「最期の迎え方 心豊かな未来のために」と題された、
ご主人を看取るシーンの一場面でした。

ご主人は85歳で食道ガンで亡くなるのですが、手術を避けて、
新緑の奥入瀬へ、箱根の山荘へ、紅葉のときは京都へ家族旅行をしたり、
思い残すことなく、1年半をゆったりと過ごしたそうです。
最期の二週間は、食事が通らず、水だけで過ごしたそうですが、
懇意にしている台湾の漢方医の先生からも、
「水だけのためかえって痛みがないのです」と診断されました。
つまり、病院なら、決まってリンゲルを打ったり、
胃に穴をあけて栄養点滴を施したりしますが、
これが腹水を溜めたり、体内に老廃物やガスを溜めるために、
病人は最期まで痛みに悩まされるというのです。

自然に任せた養生法を心がけたために心の平安も得ていたのでしょう。
「長い人生をここまで幸せに生かせてもらったことに感謝しよう」
「僕は仙人になります」といって穏やかに亡くなったそうです。
なんと素晴らしい命のまっとうの仕方ではありませんか?
僕は読んで心から感動し、奥さんの信子さんに手紙を書きました。

この女性がまた素晴らしい方でした。、
何回か文通をしたのですが、
毎朝、散歩をしながらのストレッチ体操を欠かさず、
背筋や腹筋を鍛える。
さらに、息を大きく吐いたり吸ったり、排便を心がける。
つまり、老廃物を体に溜めない生活が、
病気にならない秘訣だと言うのです。

大変な読書家で、僕が闘病記を送ったお礼に、
「水は答えを知っている」(江本勝・著 サンマーク出版)を贈ってくださり、
命と水の波動や意識の大切な関係も教えていただきました。
「やはり、夫の希望通り、病院とも手術ともコバルト照射ともご縁を作らず、
我が家の住み慣れた居間で
あちらへ移行する手伝いをしてあげられましたことを
いまさらのように満足し感謝しております」
と手紙は達筆でしたためられてありました。
死を恐れずに人生に納得し、
毎日毎日を確かな足取りで心の養生に励む。
その先達の生き方を垣間見ると、一日一日が勇気づけられると思いませんか?


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2002年10月13日(日)

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