元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第56回
あなたの「貪り、怒り、無知」が病気の原因なのか?

チベット医学の謎を解く研究書といえば
「チベット医学入門」(トム・ダマー著・春秋社)
「チベット医学」(イエシェー・ドウンデン著 地湧社)
といった分厚い本が翻訳で出版されています。
一読の価値がある面白い本です。
医学のみならず「命の発想」が変わります。

まえにも書きましたが、こうした書物では、
病気の主因は過去の煩悩から来る
「貪り、怒り、無知」と解説されています。
「病は気から」という諺もありますが、
もっと宗教的な意味合いが強い医学なのでしょう。
ですから、中国医学やインドの
アーユルヴェーダ医学とも違いがあります。
密教的な呪術のほかに、
チベット医学ならではの療法としては、金を調合した鉱物高貴薬や
尿の泡や臭い、湯気、色合いで診察する尿診などがあげられます。
また最近の研究では、欧米のホメオパシーや
オステオパシーいったホリスティックな(全人間的な)医学と
チベット医学の発想は似ているとも指摘されています。
宇宙の電磁波が体内の松果腺や脳下垂体腺に
いかに影響を与えるか?
宇宙のエネルギーと気のチャクラと鍼灸のツボとの関係は?
自然宇宙と人間の係わりを含めて、
チベット医学が見直されているようですから面白いですね。

僕の主治医の一人で、
ホリスティック(全人間的な)医療の推進者である
帯津良一博士は命の謎やこうした心の療法、
癒しの医学の基本を「宇宙の生命場エネルギー」との関連で
治療を捉えておられますが、病気に克つには
「宇宙自然の大きな生命の流れ」と
「人間の心身の命の息吹き」を繋ぐ、
患者の「心」の持ち方が大切だというわけです。

しかし、いくらチベット医学が面白いからといって、
「薬師如来や阿弥陀如来を瞑想してガンが治った」などと
強弁はいたしません。
ただチベットの高原に立つと、
改めて命の謎の奥深さを思い知らされるから不思議です。
4000mの高地で高山病の恐怖におののき、
最後には熱射病気味の風邪をひいてしまいましたが、
乾燥した高原の日々は意外と快適でした。
硬膜下水腫といって脳に水が溜まる持病や頭痛があるのですが、
その異変が1回も起きなかったことも不思議でした。
自己免疫を失う膠原病のために、
いつも手が赤く霜焼けのようにはれて、
指が曲がってしまう妻の病気も1度も出ませんでした。
こうした気候風土も心身の医学を育む土壌なのでしょうか?
ニュートン以来の西欧科学では解明できない命の謎、
癒しの技が、まだまだたくさんあると知っただけでも
楽しい知恵の旅でありました。


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2002年10月22日(火)

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