元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第64回
前立腺ガンを切れば、勃起機能が衰える?

「大事な所をバッサリ切られることだけは避けよう」と
決意した前立腺ガンの元新聞記者のHさんでしたが、
最初に検査を受けた
病院の主治医は全摘出手術を奨めたそうです。
しかし、インターネットで調べているうちに、
たとえ患部が取れたとしても、
前立腺の下部、恥骨の奥の排尿を制御している括約筋も切る。
さらに性器を勃起させるための
細い血管や神経の束も切ることになると、
QOL(命の質)がガクンと落ちることが
分かってきたと言うのです。

さて、放射線を一時留置させる日本式プラキテラピーですから、
術後、放射能漏れを防ぐ処方のために、
「壁も床も天井も、
内部を鉛の板で覆われた個室に移されて約51時間、
天井を睨んだまま、思うように寝返りも打てぬ3日間が続くんだ。
とにかく、苦痛で苦痛で参ったよ」
腰に全ての体重が掛かって、
座骨のあたりが痛くて痛くてたまりませんから、
まさに地獄責めにあったわけです。
しかし、そのプラキテラピーの甲斐があって、
腫瘍マーカーPSA
(Prostate Specific Antigen=前立腺特異抗原)が16、
病状はABCDの4段階のB…
つまり、初期の前立腺ガン宣告された患者が、
3ヶ月後の採血の結果、
PSA1,8と、術前の10分の1にまで下がり、
20代の男性のPSAの正常値2を下回る値になったといいます。

ちなみに、前立腺ガン治療の選択肢は3つあります。
クルミのような形の前立腺と、
前立腺下方の尿道の一部をまとめて切除・摘出する
「全摘出開腹手術」の他に、
男性ホルモンを生成・分泌する睾丸を摘出し、
女性ホルモンを併せて投与する「ホルモン療法」、
さらにヘソ下の部位に放射線照射を長い期間照射する
「放射線療法」などです。
しかし、治療効果とQOL(命の質)維持では
プラキテラピーが最新治療の選択のようです。
もちろん、Hさんは「ガン情報戦」の名手ですから、
3ヶ月ごとにPSA検査をする一方、
ガンに負けない体質に変えるための努力も怠らないようです。
健康補助食品や漢方生薬も服用し、
僕の主宰している「マクロビオティック食養生の勉強会」
にも顔を出してくれましたから、
昔のようなステーキや鰻のような脂っこい食生活から、
玄米菜食も取り入れた伝統食も取り入れたようです。
まさに患者が主治医のトータルケアを心がけ、
「賢い最善治療」を選んだ好例です。


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2002年10月30日(水)

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