元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第67回
無謀な手術が命を奪う

作家・倉本四郎さんのイタリアの友人、
Aさんの転移ガンの話の続きです。
「医者は手術をしておきながら、
都合が悪くなると知らぬ存ぜぬ。
患者を見捨てるとはなんたることか!」
もう打つ手が無いのなら、
食事療法の指導者に見てもらったらどうだと、
とうとう、マクロビオティック食養生法の指導者
山村慎一郎さんに伝統療法の「手当て」を頼み、
山村さんがイタリアに旅立ったのです。

やがて、イタリアのフィレンツエを訪ねた
食事指導者の山村慎一郎さんからメールが来ました。
もう、手のつけられない症状で、
食事もままならないわけですから、
とにかく、体のバランスを取り戻したり、
免疫力を復活させるために
伝統療法の「手当て」を施そうとしたのですが、、
とても間に合わなかったというのです。
「病室に入りお腹に触った時、
肝臓に大きな固まりに気づきました。
「肝臓に転移しているのでは?」と家族に聞きましたが、
医師はもう何もしないし調べもしないというのです。
翌日エックス線写真を見せてもらいましたが、
肩、喉、肋骨、脊椎、腰骨と無数に骨の転移がありました。
そして彼はわずか6日後に亡くなってしまったのです」

はたして、このイタリアの主治医は
切っても治らないことが分かっていて執刀したのか?
これは死を急がせる無謀な手術ではなかったか?
詳しくは分かりませんが、
イタリア版のドクハラ(ドクターハラスメント)、
いや「切られ損」の手術だとしたら残念な事例です。
「無謀な手術とは、あっという間に免疫力を奪ってしまうんだね」
手術→再発、再手術→転移、抗ガン剤→多臓器不全…
そしてモルヒネ→死。
洋の東西を問わず、
いまの大学病院の治療の限界を知るにつけ、
倉本さんとはいつも
「ただガンは切ったり叩いたりで済むものではない」と
慨嘆していたのですが、
ガンの痛みを知る倉本さんが、
この事件で心身に受けたショックは計り知れませんでした。


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2002年11月2日(土)

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