元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第121回
なぜ「日本食と陰陽思想」が欧米で見直されたか?

いま命の危機は「食卓汚染」と「食の堕落」の
ふたつの現象から引き起こされているといってよいでしょう。
発ガン物質を多分に含んだ
食品群から身を守るためにはどうすればよいのか?
高タンパク、高脂肪の飽食生活で酸化した体を正常に戻すには
どうすればよいのか?
西洋医学の処方だけでは防げないとすれば、
マクロビオティック食養生法のような
人間の栄養バランスの全体を見直す食哲学が、
ますます必要になってきたと僕は思っています。

ちょっと西洋医学や西洋科学に
慣れ親しんできた向きには
馴染み難い話をひとつしておきましょう。
まえにも「食べて治す!対談」の中で、
マクロビオティック食養生法では、
病気や体のバランスを「陰陽」に分けて考えると話しました。
陰陽と聞くと、あなたはどう思いますか?
「そんないかがわしい話は信用できない」
と苦虫をつぶす人が多いでしょうが、
まあ、嫌がらずに聞いてください。

最近は、平安時代の陰陽師・安倍晴明の小説や漫画が
若い人にも人気が出て、
陰陽というと、なにやら悪鬼妖怪を追い払う、
呪い(まじない)や占いを想像しそうですが、
西洋の科学や哲学とは違う、
もうひとつのモノの考え方と思ってください。
これは自然万物の生成を説明するために、
古来中国で生まれた思想、哲学です。
マクロビオティックは、こうした東洋独自の発想から、
食哲学を編み出し、宇宙自然の生命エネルギーの流れの中で、
命と食事についての考え方を体系的に理論化したものです。
ただし、マクロビオティックを発案したのは、
中国人でもアメリカ人でもありません。
130年まえに石塚左玄という軍医が考え出し、
桜沢如一が理論化。
そして、いま久司道夫さんが世界に広めていることは、
前の対談で紹介しました。

すでに1970年代には、
アメリカ上院栄養問題委員会は高タンパク高脂肪の食事が
ガンなどの生活習慣病を引き起こす元凶だと
肉食過多や白砂糖のとり過ぎに警告を出していましたから、
カーター元大統領や女優のマドンナなどが
低カロリーの日本食を見直すばかりか、
この「マクロビオティック食養生法」に飛びついたのも
不思議ではないでしょう。


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2002年12月26日(木)

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