元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第171回
ガンに「完全特効薬」はありません

イレッサ問題が患者に投げかけている問題は
予想外に大きいと思います。
僕は抗ガン剤をたっぷりとわが身に浴びて七転八倒した
苦い体験者ですから、
化学薬抗ガン剤が究極のガン特効薬とは思っていません。
出来ることならば正常細胞まで叩きのめす惨い治療は避けたい。
はっきりいって、抗ガン剤には偏見を持っています。

くしくも、イレッサ副作用事件が明るみに出て、
ほかの最先端抗ガン剤のリスクも問題視されました。
「従来の抗ガン剤より副作用が少ないとされる
「分子標的治療薬」についても、
厚労省は安全性情報に具体的な症例を掲載、
医師などに注意を喚起したというのです。
新たに副作用と死のリスクについて指摘された分子標的治療薬とは
乳ガン治療薬「ハーセプチン」(一般名・トラスツズマブ)と、
リンパ腫治療薬「リツキサン」(一般名・リツキシマブ)の2種類。
計4人が間質性肺炎で死亡する事例が相次ぎ、
厚生労働省は
製薬会社に対して薬の添付文書に
「重大な副作用」として明記するよう指示したといいます。

土屋医師が指摘するように、
認可審査機関には製薬メーカーサイドの人間だけでなく、
第3者を入れるべきでしょう。
またいくら医療事業とはいえ、
ことは一人一人のかけがえのない命がかかっているわけですから、
売らんかな主義だけで「特効薬」が罷り通っては困るわけです。
昔、口の悪い株屋さんから聞いたことがありますが
「ガン特効薬の発表で効果が上がるのは治療ではなく、
製薬会社の株価だけさ」
こんな冗談はまさにガンの患者には迷惑千万な話です。
「だから一発でガンが完治する特効薬など
信じてはいけません」
やはり、なるべく早い時期から、
患者自身の体質改善を図る養生法を実行する…
このスローヘルスの治療発想こそ「命の宝」ではないか!
これが、抗ガン剤をたっぷりと浴びて疼痛に苦しんだ、
一人のガン患者としての僕の率直な感想です。


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2003年2月14日(金)

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