元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第219回
「梅干と日本人」

「おばあさんの知恵袋」の梅干話は、
別に60歳を超えた筆者が懐古趣味にとりつかれて、
取り上げているわけではありません。
政治や経済のシステムはもちろんのこと、
衣食住のライフスタイルや命のあり方まで、
もう欧米から借りてきた拙速主義の論理では間に合わない。
発想の限界が見えているのですから、、
いまこそ日本人らしい発想を取り戻すべきだ思います。

グローバリズムという「一把ひとからげの発想」が
当たり前の論理のように地球上を徘徊し、
たとえばアラブの地に土足で踏み込む、
米英軍の戦争まで正統化してしまう、
一人一人の命まで踏み潰す…
なにかおかしいと思わないでしょうか?
いまさら「文明の衝突」といった
陳腐な論理をしたり顔で持ち出すことはありますまい。
ちょっと飛躍した話に聞こえるでしょうが、
先祖代々、“人と土は一体”という
「身土不二」の営みの中で、みんな人生を享受してきたわけです。
まあ世界平和云々といった大仰な話は別にしても、
その土地の自然の恵みを一人一人が満喫してこそ、
心身の平穏がもたらされるわけです。
「梅干ひとつ、手作りできない日本人」が
おかしいと思いませんか?
「おばあさんの知恵袋」は
洒脱な語り口で、そっと諭しているのではないか?
僕は最近つくづくそう思っています。

しかし、農薬まみれ、化学添加物まみれの食卓汚染が
わが身、わが命を危うくすると
気づく人も少しずつ増えて来たようです。
自分が食べる家庭菜園ぐらいは
作る若者も現れました。
スローヘルスの波は、とくに家庭の女性たちから
静かに始まっているといえるでしょう。
わが家の妻もキュウリやトマト、
パセリ程度のものでしたら、
小さな家庭菜園でこしらえるようになりました。
梅干も梅ジャムも手作りで、
梅酒も青梅を焼酎に漬けて造っています。
もう3年ものも5年ものもあります。
いまや、一人一人に
「心のスローヘルス」が問われている時代でしょう。


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2003年4月3日(木)

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