元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第294回
経営不信がガンの引き金?

僕のガン友達に布袋(ほてい)さんという愛称の、
じつににこやかな人相の持ち主がいます。
耳たぶが大きく、
頭の形が丸くて、あの布袋さんにそっくりなので
こう呼ばれているわけです。

じつはこの人、泌尿器系が弱く、
5年前に腎臓ガンと診断されたことがありました。
ところがメスで患部を開いたら、
ガン腫瘍ではなく油のゴミが溜まっていたというのですね。
どうやら大学病院の主治医の誤診らしいのですが、
布袋さんは持ち前の温厚な人柄で、
医師を恨むこともなく、
災い転じて福となすと気分転換して、
前向きに過ごしているせいでしょう。
その後も快調に過ごしています。

布袋さんの職業はいまはやりのベンチャーキャピタル、
つまり新しく事業を起す会社や、
株式上場したい会社に
お金や経営ノウハウの支援をすることが商売なのですが、
この銀行の貸し渋り、貸し剥がし不況では、
取引先の資金繰りが上手く行かなくなって、
ベンチャーがどんどん倒産の危機に追い込まれていくと、
さすがに困って電話が来ました。

「どうも資金繰りに詰ったり、
手形も落せなくなると、
会社がおかしくなるばかりか、
社長の体の具合が悪くなるらしいね。
先週、ITソフトのベンチャーの社長が
胃ガンで入院したと思ったら、
こんどはバイオ・ベンチャーの経営者が
肺ガンになりました。
ガンの原因はストレスだという話は聞きますが、
倒産件数とガン発生率は
正比例しているんじゃないかな?」

たしかにバブルがはけた頃には「倒産自殺」という
中高年が続出しましたが、
ちかごろは「ストレス倒産」と呼ぶべき
悲しい事例が増えて、
倒産する前に社長が行方不明でホームレスになったり、
またガンになって入院するケースが増えたようなのです。


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2003年6月17日(火)

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