元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第327回
ドクハラ本は新しい「医学書」です

ガンの最先端医学の進歩は目を見張るものがあります。
しかし、抗ガン剤治験薬、放射線腔内照射法、
さらに腹腔鏡手術といった新しい療法にしても、
人体実験が優先するようなことがあれば問題です。
そうした大学病院内部にしか通用しない治療発想や医学常識は
止めにしてもらいたいものです。
これもドクハラの温床となります。

いま多くのガン患者が
声を大にして訴えたいのは、
医師優先から患者本位の医療へ
変えて欲しいという願いでしょう。
また、かけがえのない患者の命が、
大学病院内部の「学位論文」のためだけに
犠牲にされてはなりません。
これからは「医は人体実験学」「医は病院経営学」から、
「医は人間生命学」の原点に戻すべきなのです。

未熟な医師たちによる手術死、
苦痛の中で死の速度を速める抗ガン剤治験薬、
放射線治療の骨を突き抜ける被爆合併症については、
極端な特殊例しかマスコミでも報道されませんが、
その痛みに苦しみ、
命を縮めた同輩たちの悲劇は想像以上に増えているのです。
なんども繰り返しますが、
病院が病気を治すのではなく、
病気を作っているとしたら問題です。
治療の「ドクハラ」どころか、一歩間違えて、
「静かなるアウシュビッツ」?のような医療行為が、
まかり通れば大変です。
ガン病棟に長居した患者さんなら、
うすうすとそうした危機感すら感受しているはずです。

たしかにガンに「一発特効薬」はないのですが、
もし、医師や病院がノルマ経営に追いまわされて、
患者のQOL(命の質)を考えたり、
患者とのコミュニケーションをはかるヒマがないのならば、
残された方法はただひとつしかありません。
患者自身が「ガン即=死、先端医療は万能、大学病院は絶対」
といった治療の盲信から脱出して、
自己防衛を徹底することです。

そうした意味でも、
土屋繁裕医師が投じた「ドクハラ撲滅」の
キャンペーン運動は大きな意味を持つと僕は確信しています。
土屋医師は大学病院の殻を破って、いちやはく
「ドクターハラスメント」を提唱しました。
それに賛同して、僕は患者の立場から、
「ガン患者よ、ドクハラと闘おう!」
という本を書き下ろしました。

この二つの本は、ただのスキャンダラスな
医師糾弾本ではありません。
「患者防衛学」という新しいジャンルの「医学書」なのです。
ぜひ合わせて読んで見てください。
行きつく目的地は「患者本位の医療回復」です。
人間だれしもが120歳ほどで、
いわゆる「体細胞」の寿命は尽きますが、
これからは1人1人が知恵を巡らせる
「長生きも芸のうち」という時代なのです。
ガンそのものではなく、
もし病院の治療で“殺される”ような目にあったら、
生きてきた意味がないではありませんか?


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2003年7月20日(日)

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