元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第328回
いでよ! 若き異能医師(ブラックジャック)!

ガンに限らず原因複雑な慢性疾患は蔓延する一方です。
この連載コラムでも、
いま発売中の「ガン患者よ、ドクハラと闘おう!」でも、
人間の心と体をトータルで診るホリスティック医学や、
スローヘルス治療の必要性をくどいほど説いてきました。
もはや、大学病院内でだけ通用する
「切る」「叩く」「焼く」…偏狭な臓器分断治療の限界が
見えております。

ドクハラ医師も、ドクハラ治療も、
そのドグマに満ちた医療常識が作り出している
弊害ではないですか?
患者が自己防衛で賢くなりつつあるいま、
とくに若い世代の医師たちは、
頑迷な教授にへつらうことを止めて、患者を直視しましょう。
次なる時代のトータルケア医学の領域に勇気を持って
踏み出すべきです。

僕の盟友の土屋繁裕医師はそのために
癌研病院を飛び出しました。
また前に紹介した、
新潟大学大学院の安保徹教授の
「医療が病をつくる…免疫学からの警鐘」
(岩波書店)のような論旨に共鳴する
若手の研修医たちが増えてきたと聞きます。
人気の医療劇画ではありませんが、
いまこそ、ヤング・ブラックジャック
(若き異能の医師)よ、いでよ!
いまこそ、慢性疾患に悩む患者たちと共に、
若き医学パワーが立ち上がるべきときです。
人間の「体と心」を繋ぐ
視野の広い医学に向かって、
向学心を燃やすべきです。

僕の先輩に有能な医学書の翻訳家がおりますが、
本を書き下ろすたびに嘆いていました。
「ほんとうに日本の大学病院の教授たちで、
原文で最新医学論文を勉強しているものが何人いるのか?」
おまけに「教授というバカ殿」システムに
逆らえば出世のはしごも外されるというわけでしょうか、
中堅の助教授や講師たちまでが、
新しい学説、新しい治療領域について、
積極的に勉強することに倦んでいるというではないですか?
大半の手術医が、最先端医学のみならず、
患者が関心を抱き始めた免疫学、栄養学、
東洋医学、伝統医療などには
ちんぷんかんぷんといったらよいでしょう。
それでは「21世紀の救命産業」を志願した医師自らが、
やがて己の首をしめることになるでしょう。

人間の命とは、機械部品のような単純な構造でない!
ガンは手術、抗ガン剤、放射線だけで治せるヤワな病気ではない!
大学病院で出世したからといって名医とはいえない!
もう多くの患者がうすうす知ってしまっているのですから、
大学病院の医師たちが患者に対する接し方を改めることは、
もちろん、
偏狭な専門領域をぶち壊すような、
トータルケアの学説と治療法を積極的に取り入れるべきです。
ズバリ! ドクハラとは医学界の「構造改革」理論なのです。


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2003年7月21日(月)

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