元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第338回
ドクハラ劇画を読んでいますか?

患者は患者学の本を読もう、
ドクハラ治療糾弾本を読もう…
などと仰々しくいう必要はないかも知れません。
大学病院に横行する患者無視のドクハラ治療や
ドクハラ経営の酷さを追及した
医療劇画が出ているからです。

まえにも紹介しましたが、
800万部のベストセラー
『ブラックジャックによろしく』(佐藤秀峰・著・講談社)は、
もう読んだ人もたくさんいるでしょうが、
雑誌コミックモーニングに連載され、
毎週金曜日午後10時からTBS系でテレビドラマ化されました。

この劇画は永禄大学付属病院という
超一流大学病院に勤務する研修医・斉藤栄二郎が、
あまりにもかけはなれた
日本の医療の矛盾に苦悩しつつ懸命に日々を送るストーリーです。
月収わずか3万8千円という研修医がみた、
いわばドクハラ治療、ドクハラ経営の実態暴露ですから、
現場の医師や医療関係者の間でも人気の作品です。

ブラックジャックとは手塚治虫さんの劇画に登場する、
異能の医師にちなんだ題名です。
この劇画にも大学病院の医局に反旗を翻し、
一匹狼の心臓外科執刀医・北三郎が
ブラックジャックとして登場し、
人気のキャラクターとなっています。
この異能の心臓外科医には
実在のモデルがいて、
その南淵明宏さん(大和成和上院心臓病センター長)自身も
「ブラックジャックはどこにいるの?」
(PHP研究所)という単行本を書いています。

もちろん、権威を振りかざし、
ろくな手術も出来ない教授たちが君臨する
大学病院・医局制度に批判を加えた内容ですから、
まさにドクハラ糾弾本なのですが、
患者にとっての医師とはなにか?
この答えにもズバリ明快に語っています。
本当のブラックジャック=名医とは
「患者の人生にまで目を向けられる医師のことだ」
と断言しています。

まさに新しいタイプの「患者学」の本でしょう。
拙著「ガン患者よ、ドクハラと闘おう!」や、
土屋繁裕医師の「ストップ ザ ドクハラ」
「ドクターハラスメント」と並んで、
書店の医学書コーナーにありますから、
心臓病の患者に限らず、一度、読んで見てください。
医師や病院への対応法だけでなく、
治療に対する患者の心の覚悟が変わってくると思います。


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2003年7月31日(木)

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