元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第373回
アンチ・エージング! 制限食で老化を防ぐ

食養生は難病患者だけでなく、
若々しく長生きしたいと願っている健常者にも
これからは大切な心得であることはいうまでもありません。
45歳、50歳、55歳、60歳、65歳…
年を追う毎に体力が音を立ててダウンするばかりか、
皮膚の衰えたるやいかんともしがたいものです。
とくに、お肌のシミ、シワ、たるみは
女性たちをたまらない気分に落ち込ませるものです。

最近、盛んにホルモン剤やビタミンE製剤が開発されていますが、
欧米の遺伝子学者や生理学者、生物学者、
そして免疫学者がたどりつく、
若返り、長寿というアンチエージングの答えは、
やはり食事療法のようですから、
いかに老化防止と食事が大切か?
いまや長寿難病時代の最大関心事となっているわけです。

最近の研究書としては、アンドレ・クラルスフェルドという
フランスの細菌微生物学の権威と、
フレデリック・ルヴァという神経生物学者の共著になる
「死と老化の生物学」(藤野邦夫・訳/新思索社)がありますが、
この中で人間を含めた哺乳動物の寿命を伸ばすために
二つの方法が提示されています。
(1)代謝活動を全体に遅くするために個体の温度を下げる
(2)個体に与える燃料を少なくし、カロリー供給を減らす

温度理論はハエが寒いところでも長生きするすることを
証明した学者がいたそうですが、
カロリー制限理論は、
主にアメリカ・カリフォルニア大学の病理学の医師、
ロイ・L・ウオルフォードがマウスの実験で証明しました。

もう1冊、僕が読んだアンチ・エージングの本の中で、
比較的読みやすくて面白い本があります。
「不老のサイエンス」(越智道雄・訳/第三書館)といって、
ロナルド・コチュラクと、ピーター・ゴナーという、
カナダ・トリビューン誌のふたりの科学専門記者が著したものです。

この本の中でも「カロリー制限――ぎりぎりまで寿命をのばす」
という章には、
なんと「一日1600カロリーで寿命をのばす」
そうした実験を続けた研究者たちの興味深い報告が綴られています。
ガンや痴呆など長寿難病の危機に晒されている僕たちに、
元気で若々しく、つまり「アンチ・エージング」について
明るい希望をもたす内容ですから、
こちらも興味のある人は一読をお奨めします。

病理学の医師、ロイ・L・ウオルフォードの研究と実験の内容が
マウスだけでなく、自らチームを作って実験台となり、
1600カロリーの制限食を続ければ、
120歳まで寿命を延ばせることを証明しようとしたわけです。
ガンや心臓病、糖尿病、腎不全を予防し、
さらに老化の兆候といわれる
肌の乾燥、白髪、白内障、コレステロールの上昇、リウマチや
腰痛まで防いでくれるというのです。


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2003年9月4日(木)

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