元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第374回
75歳と70歳の夫婦に子供が?

「不老のサイエンス」(越智道雄・訳/第三書館)の話の続きです。
なぜ、カロリー制限が
アンチエージングの答えとなるのでしょうか?
(1)遺伝子を環境上の損傷から守る
(2)免疫系を整える
(3)新陳代謝にともなう毒素を排出する
これが科学界の通念と成りつつあると解説されていますが、
玄米菜食法や健康食品などで、
日々の食養生を続けている筆者にも共感できる学説だと思いました。
このコラムで前に掲げた「玄米菜食10の原則」の章と比較して
読んで見てください。

たとえば、玄米菜食法では「食べるより出す」、
つまり排便こそ健康長寿の素と説きます。
また、細胞内に大量発生するフリーラジカル=遊離基=活性酸素が
ガンの元凶だと指摘され、
それを取り除くものが、いわゆる
抗酸化物質SOD(スーパー。オキシド・ジスムターゼ)ですが、
いま、それを補給する健康食品が盛んに開発されています。
僕の主治医の一人、丹羽靱負医師もこの開発では草分けで、
僕もいち早く服用し、
ガンを押さえ込んだという話は前に書きました。

こうしたバイオジロントロジー(生物老年学)や
アンチ・エージング(老化防止学)の研究の系譜を眺めてくると、
アメリカの学者も、東洋の代替医療の医師たちの見解も、
老化、病気、寿命、若返りは大いに食事に関係あり…
という結論にたどり着いているように思えます。

さて、ロイ・L・ウオルフォード医師ほか、
男性3名、女性4名のスタッフが実験した
「アンチエージング制限食」とは、
やはり、米、小麦、豆中心のの菜食料理で、
僕の励行しているマクロビオティック玄米菜食法と違って、
ときに有機の鶏肉や豚肉なども食べるようですが、
「ポテトチップスはひとかけらも食べない」
と化学添加物食品を排除しているところは注目です。

さらに、制限食が体温をわずかに下げ、
それがDNAの損傷を25%下げるというデータを
マウス実験で発見しております。
ウオルフォードはインドを旅してヨーガの修行者が
体温の34、4度に下げることに遭遇し、
決して、ナマケモノのようにならず、
心身が敏捷になっているのは、
節食、断食のせいっではないかと推論しています。
また、制限食を摂り入れれば、
100歳、120歳まで生き伸びないにしても、
予測では75歳が50歳の健康状態になり、
70代の女性が出産することも可能だというのですから驚きです。

いまや、老化を支配する遺伝子と
食事のかかわりも盛んに論議されており、
それは今後の研究に待つとしても、
食養生が元気で若々しく、元気で長生きするための
最大の大養生のヒケツであることは間違いなさそうです。
古来、日本でも「食は口より入り、災いは口より出ず」
といわれていますが、まさに、口より入る、体より出す…
この新陳代謝のバランスをよくすれば、
健康長寿はもちろん若返りにも役に立つというわけでしょう。

75歳と70歳の夫婦に子供が生まれる? 
うん、ますます長寿は謳歌せねばならぬと張り切るか? 
やれやれ、長生きも大変だなあとため息をつくかは、
読者それぞれの処世観ということになりますが、
誰しもが、元気で若々しく…これは願うところでしょうから、
食養生を中心としたバランスのよいライフスタイルを
日々築き上げることが大切でしょう。

この本も食養生の心得として、
低脂肪・高繊維食物中心の制限食のほかに、
古今の養生書と同じように
バランスのとれたライフスタイルを奨めています。
規則的な運動、少量の飲酒、
ビタミンやミネラルの補充、そして禁煙です。
「心身増強」ではなく「心身調和」こそ、
ガンや糖尿病などの難病防止となるだけでなく、
アンチ・エージング=元気で長生き、
二十歳若返るの極意というわけです。


←前回記事へ

2003年9月5日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ