元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第380回
大養生なくして大往生なし

元気で長生き、ピンピンコロリ…
誰しもが、わが行く末の大往生を夢見ているわけですが、
実際にはどうでしょうか?
厚生労働省「死因別死亡者数の割合」をみればわかる通り、
いわゆる天命老衰できた人は100人中2〜3人しかおりません。
100人中、70人近くが、
ガン、心疾患、脳血管疾患の3大生活習慣病と
肺炎で亡くなっているのです。
死者の3人に一人がガンです。
いまやピンピンコロリは自助努力なしには至難のワザとなりました。
人生80年、いや寿命120年のこれからは、
どう上手く死ぬかを考える前に、どう長生きするか?
「大養生なくして大往生なし」
大養生の知恵がより大切な時代となりました。
長寿難病時代の処世の原則が変わってきたと思います。

ですから、たとえ、あなたが中年を迎えて
ガンを宣告されたとしても、
ガン即=死と往生際にジタバタしたり諦めてはいけません。
ガン宣告は長い長〜い人生の命のイエローカード
つまり「大養生」への誘いであると感受して、
なんとか己の判断で養生の道を探りましょう。
50歳、60歳を過ぎると必ず大病のひとつやふたつにぶつかりますが、
ここで、医師任せや病院任せ、
さらにあきらめの心に負けてしまえば体力まで損ないます。
また、一足飛びにあの世に走ったり、
宗教的な大往生を夢見てはなりません。
後半生の30年、40年こそ、
「長生きも芸のうち」としたたかに、貪欲に大養生に励みましょう。
長寿難病時代とは大養生の時代でもあるのです。

毎日、僕が励行している「正心調息法」の創始者の塩谷信男医師
101歳のスーパードクターです。
60歳でこの想念呼吸法を編み出し、
94歳のときには趣味と健康のために始めた
ゴルフでエージシュート
(自分の歳数=94で1ラウンドを廻る)を達成、
ギネスブックにのるほどの大養生の達人です。

また、ジャーナリズムの大先輩の
知性アイデアセンターの社長である小石原昭さんは
70代半ばにして大病を患ったことのない、
顔艶ピカピカの強者です。
その大養生の秘訣を聞いてみると
「普通は仕事の合間に養生を考えるが、
僕は養生の合間に仕事をしております。ハッハハ」と豪快です。
突然、パリの高級ホテルから手紙が来たと思うと、
ガン治療で評判の玉川温泉や伊豆の断食道場から電話が来ます。

一方で、ガン病棟には
「ガンそのものではなく、治療で命を落としている」
という医療怪談があります。
僕の体験や周囲の患者の往生際を思い起こしても、
“切捨てご免”や問答無用の手術の後遺症、
無謀な抗ガン剤治験薬の乱用による副作用、
さらに薬漬け、検査漬け、医療過誤、院内感染といった
医療事故によって命を失った人があまりにも多いのです。
「病気を治すのではなく病気を作っている」と
いまの大学病院の医療経営を指弾する内外の医師がいますが、
まさに長寿難病時代の皮を1枚剥ぐと、
“不幸の魔物”がたくさん潜んでいるわけです。


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2003年9月11日(木)

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