元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第385回
40億年の生物の歴史を知ろう

いったい「死」とは何か?
死とは「自然死や老化だけで起こる」ものではない!
また死とは「種の保存のために有益である」
と考えられてきたが、
それは悲しみの感情を慰めるための論理に過ぎない!
これまでの生物学説の「常識のウソ」を次々と覆していくところに、
僕の読んだ「死と老化の生物学」
(A・クラルスフェルド F・ルヴァ著/藤野邦夫・訳 新思索社)
という本のオモシロさがあります。

40億年の生物の歴史と細胞プログラムの観察から、
さまざまな学説が検討されているのですが、
読んでいくうちに、
何やら長寿処世学のヒントも掴めそうな雰囲気なので、
この本は多分に生物哲学書の領域にも踏み込んだ
読み物だと思いました。

「死」とは、ただ宗教的に忌み嫌うものではありません! 
生物40億年の歴史から観察して、
より新しい生への知恵を模索しなさいよ!と
メッセージを送ってくれる本とも読めるのです。
 
死とはなにか?
長寿難病時代だからこそ、
一足飛びに宗教や霊界の世界に埋没するのではなく、
脊椎動物5億年や生物40億年の細胞の変遷、
いや宇宙誕生150億年の生命エネルギーの歴史の中で捉えると、
より納得できる長寿処世の意味が、
一人一人の心に芽生えてくるかも知れません。

たとえば、死とは事故、災害、疫病や食糧不足、
弱肉強食といった“受動的な死”でも起こり、
細胞のアポトーシス(自爆死)といった
“能動的な死”=自己コントロールによっても
起こるものだと解説しています。

一例を挙げれば、胎児のこぶしの塊のような手から
指の間の細胞が死んでいき、5本の指が形成される――
この細胞の自爆死が生命体の維持に繋がるのだといいます。
また、老化を遅らせる「長寿」についても、
なかなか興味深い研究が紹介されています。
酵母や線虫といった
単細胞生物の突然変異体が3倍も長生きするだけでなく、
人間も100歳を超えると死亡率が25%も減るというのですね。
カロリー制限をすれば120歳まで生きることも可能だといいます。


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2003年9月16日(火)

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