元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第404回
手術謝礼が100万円?

ドクハラを巡る土屋医師との対論の続きです。

関根 よく、ジョークにありますね。
    医師の白衣のポケットが大きいのは、
    手術謝礼をドサッと入れてもらうためだなどと。

土屋 僕も一回、患者さんから謝礼を入れられそうになりました。
    僕は普段から白衣を着てるから、
    患者は無理矢理ポケットに入れようとするんです。
    「何するんですか!」ともみ合いになったんだけど、
    白衣着ていればねぇ。(笑)
    患者の十人中八人が謝礼をするわけですけど、
    なぜかというと、患者サイドの差別の期待なんですね。
    なるべく丁寧に執刀して欲しいという…。

関根 ちょっと、極論ですが、それならば、
    最初から分かりやすいようにオープンに議論すればいい。
    そうすればお金の動きもしっかりするでしょう。

土屋 例えば、1回、100万円などという教授もいます。
    大学教授の中には年間に
    そうしたおかしな謝礼が一億円という人もいます。

関根 八割もいるのですか?

土屋 街頭インタビューで聞くと八割ぐらい、
    いや九割の人がするといいます。
    医者も少なくとも六割が受け取るでしょう。
    医者の技量、医者のモラルに限っていえば、
    未熟な医者に手術させるくらい恐いことはない。
    患者の差別の期待だけでなく、
    医者のサイドからも、そろそろ、
    技量相当の診療報酬について、論議すべきでしょう。
    双方がすべてうやむやなコミュニケーションに
    甘んじているから、
    医者の方もヘンなお金、謝礼という形で期待するわけです。

関根 でも診療報酬の差別化は、
    いまの医療保健制度の場合はできないでしょう。

土屋 まあ、仮説ですが、
    差額ベッドは認めているわけだから、
    差額医者みたいなものがあってもいいんじゃないかな。
    あくまで、医者の技量とモラルからみた話ですが。
    でも、現実に謝礼を渡さない人は
    不利益になるかというとそんなことはありません。
    僕らそんなこと考えて手術してるわけじゃない。
    手術をやっているときは、
    最高の手術をやろうと頑張ってるわけですから。
    なんらかの方法で医療報酬は見直すべきですね。


←前回記事へ

2003年10月5日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ