元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第405回
「医師も患者に学ぶ」時代がやってきた

ドクハラを巡る土屋医師との対論の続きです。

関根 最近、ドクハラ、ドクハラと患者の意識が、
    たかまってきましたが、
    現実の病院での医師の教育はどうなのでしょう。

土屋 いい病院ってなんとなく暖かい感じがするとか、
    スタッフが挨拶できるとか、
    本当に何気ないことなですが、
    患者がみんな雰囲気を感じると思うのです。
    うちの病院も必ず挨拶をしなさいと指導しています。
    あと、患者さんが歩いて来たら、
    医者や看護婦は端を歩けってね、
    教育しているわけです。

関根 そういうことは、一般社会というか、
    サービス業では当たり前のことですね。

土屋 やっと医者や病院がやりだしたということです。
    僕が癌研病院を辞めるころには、
    職員はなるべくエレベーターに乗らないように、
    という指示がでました。
    エレベーターの中では無駄口しゃべるな、とかね。

関根 ドクハラ医師とは違うと思いますが、
    雰囲気はすごく良くて人格的にも良さそうなのだけど、
    まだ若かったり未熟な先生に当たると心配ですよね。
    例えば『ブラックジャックによろしく』(講談社刊)
    の研修医みたいな、
    すごく正義感はあるが、
    この人に診察を任せたら技量的に心配という、
    お医者さんに当たる場合もありますよね。
    そういう時はどうしたらいいのでしょう?

土屋 そういう時は
    患者さんが医者を育ててあげる、みたいなね。
    それぐらいの気持ちを
    患者の経験者が持ってくれると有り難いですね。
    医療というのは必ず基本的にはチームワークですから。
    一人で何でもできるというものではありません。
    例えば、医者も大きい病院に行けば、
    僕の意見一つで治療方針が
    全部決まるということはまずありません。
    特に手術に関していえば、必ず一人ではできないです。
    チームでやらなければならない。
    必ずチェッカーが他にいるから成り立つのです。
    そして、患者がいてこその医療ですから、
    患者とのコミュニケーションが決め手なのですね。


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2003年10月6日(月)

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