元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第406回
ウソのない患者と医師の関係

ドクハラをなくすには、医師も患者に学ぶ…
そうした環境作りが大切だという、
僕と土屋医師の対論の続きです。

関根 これからは「医師も患者に学ぶ」べき時代だという
    話に関連があるのですが、
    医療劇画の『ブラックジャックによろしく』の研修医も
    そうだけど、
    患者に知ったかぶりするのはイカンと書いていますよね。
    でも若い先生は、やぱり知ったかぶりしたくなる…。

土屋 若い医師の方は指導医だけでなく、
    患者からも学んだ方がよいです。
    僕は専門外のことを「知らない」と言える医者は、
    結果的には患者も安心できると思います。

関根 『ブラックジャックによろしく』などにも出てくるけど、
    研修医が「知らない」と言ってしまうのですが、
    「先生にそう言われてよかった」と、
    かえって患者の家族が信頼する話が載っていますね。

土屋 僕の主宰するキャンサーフリートピア
    相談や診察にみえる患者さんは、
    本当にガンの症状を詳しく報告してくれて、
    知らないことをいっぱい教えてくれます(笑)

関根 ドクハラ、ドクハラといわれますが、
    これからは医師もふんぞり返っていないで、
    患者から情報収集するくらいのサービス精神が必要ですね。

土屋 まあ、それくらいの医者ならだいたい良い医者です。
    たとえば、ほかの治療法について患者が質問をすると
    怒りだす医者もいます。
    「そんなのロクなもんじゃない。オレが知らないもんは!」
    とかね。

    これはやはり良くない。
    医者は患者さんの話をよく聞きながら診てくれる
    というのが良い医者だと思います。
    もちろん、技量は問題だけどね。
    ですから、大きな病院の医師たちは、
    もうそろそろ患者サービスを考えて、
    作業を分担すればいいんですよ。

    ある医師は手術だけ。ある医師は後のケア。
    一人で万能選手など少ないですよ。
    患者さんにしても「生き方」は選べるけれど、
    目前の「生きる時間」は自分で選べないわけですから、
    とくに現場ではウソのない患者と医者の関係を作る…
    医者はそういうことを
    常に考えていかないといけないわけです。


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2003年10月7日(火)

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