元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第412回
日本にはガン専門医がいない?

ドクハラ医師、ドクハラ病院、
ドクハラ治療をなくすにはどうしたらいいのか?
その問題の奥の奥を探る、
土屋医師との対論の続きです。

関根 納得合意(IC=インフォームドコンセント)といって、
    原則としては、手術の前に患者が詳しく治療方法を説明して、
    患者が納得の上で治療を受けるということになっていますが、
    先生がまえにいっていたように、
    現実は大学病院の「治療の押し売り」が横行していますね。

土屋 IC(Informed Consent=インフォームドコンセント)
    という言葉はもともと、
    アメリカの訴訟社会を背景に生まれてきた言葉で
    現実は、医者のエクスキューズ
    (責任逃れ)に使われるケースが多い。
    納得合意と訳すのは相当の意訳です。

関根 納得してない(笑)

土屋 治療をごり押ししておいて、ろくな説明もしない。
    ただ、形式的に責任転換というか、
    この医療行為はあなたが選んだのだから、
    あなたの責任ですよ、と持っていくことになる。

関根 という程度なのですね。

土屋 実際、患者さんがちゃんと納得するように説明する時間が
    大学病院の医者にはないのです。
    まあ、僕がキャンサーフリートピアという
    ガンの相談所を解説したのも、
    ひとつは、そうしたノルマに追われた医者の足らない部分を、
    代わりにやっているようなものです。

関根 診療だけでなく、相談もケアも出来る、
    ガンの専門医がいなきゃダメですね。

土屋 将来の医療システムとしては、
    検査のアウト・オーダー、
    給食のアウト・オーダーみたいに、
    病院もインフォームド・コンセントの
    アウト・オーダーみたいにね、
    専門医のところに発注する…。
    患者さんもしっかり治療内容もわかる、
    他の治療選択の知恵がつく…
    そうしたシステムにすべきでしょう。

関根 話は戻りますが、
    そもそもアメリカで採用されている
    オンコロジスト(腫瘍専門医)が日本には少ない、
    いや殆どいないというのが、
    ガン治療の問題ですね。
    日本ではガンというと大抵が外科医のところに行って、
    まず「ガンは切れば治る」などと、
    治療の押し売りをされる。


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2003年10月13日(月)

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