元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第575回
本当の勇気をもたらす本

先日、HiQの主宰者である邱永漢さんから、
傘寿80歳の誕生パーティの案内状をいただきました。
邱さんは、その長い長い年月に書き下ろした本が、
なんと500冊といいますから、
歴代の物書きのなかでも
これほどの直木賞作家はおりません。
よく何百冊の本を出版したと豪語するツワモノはおりますが、
大抵は自らの書き下ろしではなく、
いわゆるゴーストライターと呼ばれる黒子が書いて、
ご自分は喋る――つまり、「語り下ろし」本ですから、
正真正銘の多作日本一は邱永漢さんでしょう。

もう、大昔の話とはなりますが、
僕が週刊ポストという雑誌の編集長の頃、
邱さんには毎年のように連載をお願いしておりました。
邱さんはそのころ、総合誌から経済誌、マネー誌まで、
20数種の雑誌に連載されており、
まさに「週刊邱永漢」といった趣きの多忙な執筆の日々でしたが、
いやな顔をせず引き受けていただきました。

年配の皆さんなら覚えているかも知れない、
「悪い世の中に生きる知恵」や
「円高に克つ!」「たいわん物語」「アジアの風」などなど、
その頃に生まれた作品です。
ちょうど、週刊ポストの読者である
多くのサラリーマンが
日本の右肩上がりの
高度経済成長の恩恵になんとか預かろうと
虎視眈々とお金つくりの思案をしていた頃でした。

まさに「お金の神様」の邱さんのご託宣が
面白いようにぴたりぴたりと当たって、
株や不動産で大儲けした人がたくさん出まして、
多くの読者がお金ばかりか、
生き甲斐という勇気も元気もいただきました。
おかげで、当時、週刊ポストという雑誌は
毎週、100万部を売り、
とうとう年商100億円を超える媒体に
なり上がったことになります。

それはともあれ、
この世の中に、本当に面白くて役に立つ、
さらに、読者に勇気を与えてくれる本は少ないものです。
その意味で邱さんの傘寿80歳は
ほんとうに素晴らしい人生です。
いまなお「これであなたも中国通」
「お金だけが知っている」などなど、
まさに単行本も「週刊邱永漢」の速射砲の勢いで刊行され、、
おまけに、このHiQでは
「日刊邱永漢」を編み出して、
若い世代に日々、叱咤激励のエールを送り続けているわけです。
3月30日の誕生日には
「80歳、おめでとう、
 そして、勇気をたくさんありがとう」
と申し上げに参上しようと思っています。


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