元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第719回
新登場! 本格派の「中国株ムック」

まえに中国特有の風水という「未来予測環境学」で、
先行き不透明な中国経済の盛衰を
占ってみたことがあります。

僕に風水学を伝授してくれた、
台北の命理学の達人・楚皇(そこう)さんによれば、
運気隆盛の地勢に恵まれた市場は
「上海より深センだ」というご託宣で、
何人かの読者からは、
「なるほど、現実の株価も『強深弱上』といわれるくらい
 勢いが違うから、これは面白い」
という感想を貰いました。

ま、占いまがいのことで
金運、事業運、投資運、国勢運を探るとは、
アナクロも甚だしいと大笑いする人もいるでしょうが、
楚皇さんのいわんとするところは、
人間の日々の生活ばかりか、
複雑に組み合わされた経済活動も、
結構、目に見えない気象・地磁気や
風土・地勢・環境に影響されている――
つまり、経営者個人とか一企業の才覚や
統計データだけで企業業績や株価浮沈が決まるものではない。
結構、その企業の「立地・地勢」や
業界の「競合・方位」に影響されるものだと
示唆しているのではないか――というわけです。
そう理解すると
まんざら無視するわけにもいかなくなるから、
面白いですね。

もちろん、いくら陰陽五行思想の国といっても、
巨大中国に係わる出来事を、
何でもかんでも風水学の「地勢学」「環境学」や「方位学」で
こじつけることはないでしょうが、
いわれてみれば、ここ数年の株価実勢データでも
『深セン株優位』と出ていますから、
風水環境学を信じる信じないは別にしても、
中国投資の参考にしてみるのも面白い。

とくに、いま一進一退で富国市場を模索する中国は、
過去に経験したことのない
国の選択、民族の選択を果たしつつあるときです。
こうしたときは「隗より始めよ」で、
土地の風土、土着の風習という
民族の本来性向をしっかり見ておくことが大切だと思って、
陰陽風水学という、ちょっと古めかしくて新しい
中国市場分析の視点を紹介してみたわけです。

では「強深弱上」といわれる
中国市場・株価趨勢の現実の実勢データはいったいどうなのか?
これについては、いま発売中の中国株ムック=
「でっかく儲ける 中国株」
(日本文芸社・刊 日本事業通信網・編)に
面白いデータを地元の辣腕アナリスト・
陳勇さん(国泰君安証券)が上げていますので、
比較参考にすると面白いと思います。

中国株ムック本というと、
このところ10種類も20種類も出ましたが、
どれも、ニワカ中国株評論家や、
中国株を買ったこともない日本株アナリスト、
さらに中国市場に行ったこともない編集者が
構成したとしか思えない、
いかにも「象の肌をなでる」ような
いい加減な内容の粗製濫造本が多かったのですが、
この中国株ムックは、
投資歴10年以上のツワモノが構成しているだけに
各所に中国市場の特性を摘出。
別に風水学に触れてはいませんが、
実践現場に即したデータを重視した、
本格派の投資本だと思います。


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