元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第721回
患者本位の病院ランキングとは

あまり、中国風水や
中国株のことばかり書いているのでは、
このコラムの健康患者学の趣旨に反するので、
患者本位のガン治療の話に戻しましょう。

巷では、さかんに、
治療選び、医師選びのための、
「病院ランキング」本が出ていますが、
「手術の多い病院を最良とする」とか、
「病院長や医師のコメントで判断する」とか、
あいかわらず、
「3分間診察」「検査漬け」「薬漬け」の実態には
触れられていませんから、
一見、客観的データのようで、
じつは患者が信頼できる情報ランキングは少ないのです。

ところで、
先日、NHKテレビの「クローズアップ現代」で、
「病院の実力を評価せよ」という番組がありました。
見た人もいると思います。
患者本位のガン治療を充実するためには、
まず、なんとしても病院と医師サイドの
治療内容の情報公開が必要なのですが、
ほとんどの病院が
秘密のベールの中に安穏としております。

この番組はしばしば医療改革問題を取り上げる
なかなか真面目な番組で、
その日も、
興味深い話がふたつありました。

ひとつは、大阪府のホームページが
大阪府立成人病センター、大阪赤十字病院など
拠点10の大きな病院の治療成績、
つまりガンの5年生存率の情報を
公開しているというケースです。
http://www.mc.pref.osaka.jp/ocr/kyten/index.html

●医療機関別5年相対生存率 (1993-96年診断新発届出患者)

  拠点病院 全大阪府
胃ガン・5年生存率 62,5% 49,5%
大腸ガン 71,5% 58,7%
肝臓ガン 28,6% 14,7%
肺ガン 26,1% 14,2%
乳ガン 86,8% 82,9%

この5年生存率の情報公開サイトを覗くと、
さらに各病院の5年生存率の成績が出てきており、
表でも分かるとおり、
情報公開拠点病院の5年生存率成果は
全大阪府の病院に比べると高いようなのです。

厚生労働省はメディカルフロンティア戦略で、
ガンの生存率を全体で
40%から60%へ向上させる目標を立て、
これを受けて「大阪府地域がん診療拠点病院機能強化事業」を
平成14年度から開始したようですが、
しかし、まだまだ全国的には波及していないようです。


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