元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第731回
医者も患者に学ぶべき時代がやってきた(その3)

「月刊がん もっといい日」(日本医療情報出版)9月号に載った
土屋繁裕医師と僕の
「医者も患者に学ぶべき時代がやってきた」
という対談記事の続きです。

          *

土屋:最近は、患者さんが驚くほど勉強しているから、
    医者以上に新しいことを知っている場合がありますね。

関根:先日、前立腺がんのブラキセラピー
    (注・放射線を出す微小なカプセルを前立腺に埋め込み、
    がん細胞を死滅させる治療)を受けた男性から聞いた話では、
    大学病院の泌尿器科の偉い先生たちに、
    「僕、ブラキセラピーやったんですよ」と話しても、
    「なんだそれは?」って医者がいっぱいいるそうです。
    彼は海外の論文も読み込んでいるから、
    「医者はこんなに勉強してないのか」と驚いていました。

土屋:一生懸命勉強している患者さんは、
    まさに「がんのプロ」になりますね。
    僕の患者さんのなかにも、
    がんを切るべきかきらざるべきかと思案している担当医に、
    自分から「休眠療法」を提案して、
    医者と共同で治療に取り組んだ人がいました。
    我々医者が、患者さんから教えられることは
    本当にたくさんあります。

関根:中国医学の先生から教わった言葉で、
    「久病良医」ということわざがあるんです。
    これは、「長くわずらった患者ほど優れた医者である」
    という金言です。
    これからは、医者と患者が対等に向き合って、
    「がん」ではなく「命」を治療していくシステムが必要だ。
    そう思います。

          *

いくら情報氾濫の時代といっても、
もっとも大切なことは、
医師と患者の「情のあるコミュニケーション」だ
というのが土屋先生と僕の結論です。

ちなみに、この月刊誌の特集の中で、
もうひとつ注目すべきは、
女性の医療ジャーナリスト・福島安紀さんの
「本当に“いい病院”と出会うために 
「病院ランキング」をどう読むか?」という記事でしょう。
ガンの5年生存率も病院が自己申告するのではなく、
「第3者が客観的に患者のリスク調整も行ったうえで
公開されるようになってほしい」と指摘していますが、
こうしたシステムは
病院と医師と業者だけで推進するのではなく、
300万人のガン体験者患者と
その家族の発言がとても重要になってきたと思います。
あなたはどう考えますか?


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