元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第792回
「世界一の金持ちになってみろ」

先日、評論家の竹村健一さんから、
面白い本を送っていただきました。
「世界一の金持ちになってみろ」(太陽企画出版)という本です。
これは竹村さんと
いまプロ野球の球団進出で話題になっている
ライブドアの若手社長・
堀江貴文さんの対談集です。

堀江さんといえば、
一介のホームページ制作代行屋から身を起こし、
徐々にサイバークリック、melma!など、
数多くのウェブサービスを展開
とうとう31歳にして
時価総額1000億円の上場会社をつくった
ユニークなIT長者として有名を馳せていることはご存知の通りです。
これまで出版された数冊の本もすべて、
ノンフィクション・ビジネス書のベストセラーになっており、
この竹村さんとの対談本も発売と同時に増刷したそうです。

前著「堀江貴文のカンタン!儲かる会社のつくり方」
いった本では、本を購入して、
プレゼントに応募してくれた人の中から
抽選で1000名に「堀江貴文の持ち株」
(東証マザーズ上場会社コード 4753)をプレゼントといった、
じつに破天荒なアイデアを満載して話題をまきましたが、
この対談本では、
日本の経済界の古い体質に風穴を開けようとする
31歳の気鋭の経営者としての心情だけでなく、
堀江式の「世界一の金持ちになってみろ」の秘密が
竹村さんとの巧みな会話の中で
縦横に明かされているところが興味のツボです。

圧巻は堀江さんの
「インターネット即=金融システム」という発想でしょう。
これまで果たしてきたIT企業の買収の底力、
次に目指す証券、銀行業への旺盛なる進出意欲とは、
「ツーウエー・インターネット・アクティビスト」であるがゆえに、
実現できることなのでしょう。
こうした新しい時代に向かっての当然の発想が、
パソコンもいじれない年配のプロ野球オーナーや、
株の持ち合いで事業権益を守ろうとする
老経営者たちを不機嫌にさせるのは無理のないことでしょうね。

とくに、この本では、
堀江さんが自らのライブドア社の株を次々と株式分割して、
「1000円、2000円で誰でもが株主になってもらう」
いや「株主という古い発想ではなくサポータになってもらう」――
こうした、
いかにもインターネット・マネーらしい発想を披瀝していますが、
僕も大いに共感しました。

竹村健一さんも進取の精神に富む評論家の一人でありますが、
いまや誰でもが思いつく
インターネット発想やIT理論を、
なんの苦もなく、次々と具現化、事業化して、
億万長者になったところが
堀江青年の面目躍如といったところでしょう。

この本、70代の竹村さんと、
30代の堀江さん――
世代的には実にミスマッチな顔合わせが面白いところであります。
その中間に位置する、30代、40代、
50代、60代の読者には、
大いに考えさせられるところがある
「インターネット大成金本」ですから、
一度、読んでみてはどうでしょうか?


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2004年10月27日(水)

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