元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第831回
「抗ガン剤が効く」=「ガンが治る」ではない

ふつう、抗ガン剤が効いたというと
「ガンが消えた」「ガンが治った」と思いがちですが、
これは大きな思い違いなのです。

抗ガン剤の効果を「奏効率」といいますが
ここでいう「奏効」とは
ガン治ったことではなく、
がんに対して100人の内、20人以上について
ガンが半分になり(縮小し)、
この状態が4週間以上続くことを意味します。

じつに5人にひとりの割合です。
また、5週目にがんの大きさが
もとにもどってしまったとしても、
承認された抗がん剤の立場は揺るぎません。
抗ガン剤治療を受ける場合は
これはしっかり覚えてかかりましょう。

前回、「抗ガン剤が効くガン、効かないガン」の分類で、
B=「延命が期待できる」ガンの例を挙げましたが、
では、「延命」とはなにか?
厳密にいうと、長生きするわけではなく、
単に「生存期間」が延びたというに過ぎません。
他の抗がん剤治療をした人に比べて
治療後の生存期間が長かった、という意味です。

負担の少ない治療法で、
わずか数ヶ月でも、
生存期間が延びるのなら問題はありませんが、
抗ガン剤は風邪薬とはわけが違い、
ひどい場合は副作用で死ぬ(副作用死)こともあるのです。
死なないまでも、
細胞毒(100%毒です)である
抗ガン剤は非常に強い副作用をもたらします。

医者が勧める「抗ガン剤が効く」とは、
「=ガンが治る」ことだと思っている
患者さんもいると思いますが、
決してそのようなことはないのです。

また、同じく前回あげた、分類の
C=「症状の緩和が期待できる」
も期待しない方が賢明です。
これは、D=「効果の期待が少ない」
とほとんど同じだと思ってください。
(D)は現実的な治療でないことも意味しています。

「実地医療の場」
つまり臨床(患者さん相手)の場において、
慎重に検討しなければならないほど
「抗ガン剤の適応」に問題があるということです。
人によっては逃げ出したくなるほど、
重い副作用をもたらす
抗ガン剤の治療を受けるときには
以上の様なことを踏まえて、
慎重に判断してください。
「治療」によって命を縮めることだけは
避けたいものです。


←前回記事へ

2004年12月5日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ