| 第889回ガン治療革命とは「1+1=2プラスα」
 「漢方薬が科学的に証明され、ガン統合医療のトリガー(引き金)になるだろう」という
 報告と提案がなされた、
 ガン統合医療セミナーに、
 僕が注目した話の続きです。
 もちろん、だからといって、漢方薬のPRをするといった単純な話を
 展開するつもりはありません。
 また、西洋医学を否定するために
 この原稿を書いているつもりもありません。
 なぜ、僕がこの中国医学発信の「ガン統合医療」の進めに共感したかといいますと――、
 患者のQOL(命の質)を高める治療とはなにか?
 次の時代に期待される、実践的な統合医療とはなにか?
 「これからのガン治療革命とは、
 1+1=2で終わるただの東西医療の組み合わせではなく
 1+1=3にも4にもなる付加価値の高い、
 患者本位、いや人間本位の「統合医療」であるべきだ」
 「ガンに克つには「シンプルからコンプレックスへ」「単純形式から複雑形式へ」――、
 この古くて新しい命題を乗こえてこそ、
 ガン勝利者(Cancer Victor)への道が
 開けてくる」
 と、日、中、台、米の気鋭の医師たちが、
 熱弁をこめて語っていたからです。
 いまや、手術による合併症・後遺症、抗ガン剤・放射線の副作用、治療死、院内感染など、
 悲惨な医療の現状に対して、
 患者も、根本的な発想の転換を
 迫られているといったらよいと思います。
 ここにガン治療の最大の問題があります。
 ともあれ、ガンからの生還法は、まさに複雑多岐、いろいろあります。
 度重なる手術を乗り越えて命を取り留めた患者――
 抗ガン剤の疼痛や副作用を我慢して生き延びた患者――
 そして筆者のように統合医療の組み合わせで命を掴んだ患者――
 まさに治療法の複雑さは多様化しておりますが、
 ひとつ大切なこと、
 最後に判断すべきことは、
 患者が苦しみと疼痛のなかで生き延びるのではなく、
 QOL(命の質)を高めながら、
 心身をゆたかに悔いなき人生を過ごせるかどうか?
 これにつきると思います。
 というわけで、俄然、いま世界的に注目を集めている治療発想が、
 手術、抗ガン剤、放射線という
 西洋医学の対症療法以外の「代替療法」の見直し、
 そして、両者を合わせた
 「統合医療」「ホリスティック医療」の選択なのですね。
 <用語解説>※代替医療(alternative medicine)とは、
 アーユルベーダや 漢方=中国医学などの伝統医療や
 ホメオパシー、カイロプラクティックやナチュロパシーなどの
 新興医学を取り入れる際に、
 西洋近代医学の代替として呼称されるもの
 ※統合医療(integrated medicine)とは、西洋医学だけを中心とした医療の考え方を誤りとして、
 医療は人間の病気を
 トータルに治癒させることが目的であるので、
 統合して真の医療を創造すべきであると言う立場で使われる。
 統合医療とは文字通り、
 西洋医学の療法と中国医学をはじめとした
 様々な民間療法を組み合わせることで、
 より患者の体にやさしく、
 付加価値の高い効果が得られる治療のこと。
 ※ホリスティック医療(Holistic  medicine)とは、ギリシャ語の「holos」(全体)を語源とする 。
 西洋医学だけを中心とした医療の考え方を誤りとして、
 医療とは、肉体のみでなく
 精神性やさらに霊性までも含めた医療を総称して
 『ホリスティック医療』と呼ぶ。
 日本でも『ホリスティック医学協会』が存在し、
 よりレベルの高い統合医学の実現を目指して研鑽を積んでいる。
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