元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第903回
総合週刊誌ビジネスの凋落!

ちょっとユニークな週刊誌の発行人であり社長である、
多重ガンの患者さん、
黒川宣之さんの手記について紹介してきましたが
僕も週刊ポストというサラリーマン雑誌の編集長を10年、
発行人も5,6年やってきたことがありますが、
それはストレスの溜まるハードな仕事です。
黒川さんはいまもって現役ですから
ものすごい精神力の持ち主だと思います。

ところで、
話は少し「ガンと週刊金曜日」から離れますが、
一連の週刊誌ビジネスが
いま異変に見舞われています。
僕たちの現役のころは、
高度成長期に真っ只中であり、
編集者も読者も進取の精神に富んでいたのでしょう。
僕の編集していた週刊ポストにしても、
毎週、120万部、130万部を発行する
まさに100万部雑誌でした。
広告も1週で1億円入る号が
何回も出ました。
もちろん、邱永漢先生をはじめ、
常に人生にも蓄財にも前向きな名人達人の皆さんに
毎週のように誌面を飾っていただいておりましたので、
年間売り上げが100億円を超える
出版社の「ドル箱雑誌」となっていたわけです。

ところが世の中が不景気になり、
とくにサラリーマンに元気がなくなったためでしょうか、
週刊誌を買って読む人が激減して、
いまや30万、40万、50万部に落ち込んでいるというのです。
もちろん、このHiQのように、
インターネットや携帯電話なら、
タダでかなり役に立つ情報を得ることが出来る
時代になりましたから、
週刊誌ビジネスはそれなりに
付加価値をつけた情報を
工夫しなければならなくなったわけです。

ところが、総合週刊誌のサイドは、
くだらんヘアヌード写真や芸能ゴシップで
お茶を濁す姑息な記事つくりが多くなり、
こんどは倫理規定や人権問題、
名誉毀損訴訟などで規制を受けると、
粘り腰が砕けていったようなのです。

「ピンチをチャンスに変える」ことが出来ず、
本来の反新聞メディアとしての
ゲリラともいうべき特性を忘れてしまったために、
新聞にも、テレビにも
「鳶に油揚げをさらわれる」事態になって
しまったのでしょうか?

それどころではありません。
不景気とは恐ろしいですね。
広告収入が激減、
販売収入の激減のダブルパンチに連打されて、
とうとう赤字雑誌に転落する総合週刊誌が
出てきているというわけです。

ま、僕は引退して10数年経ちますので、
いまさら、若い編集長に助言できる立場でもありませんし、
そんな知恵もありませんが、
出版界の業界誌の方は、
こうした体たらくを見逃すわけにはいかないのでしょう。
とうとう耄碌した?
このガン爺さんのところに
「凋落の総合週刊誌にチャンスはあるのか?」
「週刊誌・起死回生のスクープとは何か?」
についてしゃべってほしいと、
ある業界誌の編集長がやってきたのです。


←前回記事へ

2005年2月15日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ