元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第906回
続・総合週刊誌ビジネスの凋落

月刊誌「編集会議」3月号に掲載された、
「総合週刊誌の凋落」と
僕の昔話をもう少し続けましょう

          *

僕が出版社に入社した当時は
今のような高給でエリートが集まる業種というよりも、
学生運動崩れの仲間がこぞって入社していた時期でした。(略)
ただひたすら僕の持論である
「おや、まあ、へえ、なるほど、これでもか」を
捜し求めて走り回っておりました。

その代わり、もの凄い勢いで失敗を犯した。
ただし、当たるとトンでもないものが出てくる。
おそらくそのときの編集部の勢いは、
誌面にも滲み出ていたはずです。

あの頃とまったく同じことをやれとは言いません。(略)
けれども、あの頃の週刊誌の編集長が持っていた意気や、
編集部に流れていた空気は、
今の言葉で言うところの
“ベンチャー精神“だと思います。
ですから、ベンチャージャーナリストを集めて
誌面を構成していけば、
僕は、週刊誌はもっと面白いものになると思います。(略)

僕が編集長をしていた当時、
「週刊ポスト」で米軍岩国基地の
核兵器保有疑惑を取り上げたことがありました。(略)
日本に核兵器が存在することを証明するために、
コツコツと地道に取材を重ねていった。
そのうち、米軍で働いている労働者から、
ウチの記者が岩国基地の電話帳を入手したのです。
その電話帳を調べてみると
「nuclear weapon(核兵器)」と書いてあり、
内線番号も記されていたのです。(略)

こうしたスクープは
官庁の番記者制度の弊害もあって、
なかなか新聞やテレビではできない。
その点、週刊誌の独壇場となるわけです。(略)
今風にいえば、まさにスクープはベンチャーチャンスだと
僕は考えているわけです。

週刊誌とは読者の知りたい本音を
比較的にホットに具現できるメディアなんですね。
雑誌が売れない時期だからこそ、
古びたキーワードかもしれませんが、
「権力に逆らってでもやってやる」
という反骨精神とも言うべきものを貫いて
雑誌つくりをしなければならないはずなのですが、
残念なことに、
最近はその辺りが
少し軟弱のように思えてなりません。(略)


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2005年2月18日(金)

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