元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第948回
続続々・テレビは「バカの鏡」?

今回のライブドア事件報道の
テレビのバカ騒ぎについて、
われらが邱永漢さんがHiQのコラムで指摘した
「テレビはバカの鏡」論を敷衍して、
「事件で問われているのは、
 テレビの新たなる公共性なのだ」
と、このコラムで書いたことがありますが
何人かの読者から、まさにそのとおり、
最近のテレビや新聞を見ても、
少しも、将来に対する情報も知恵も提案も見えてこない、
「堕落したものだ」という、
賛同のメールをいただきました。
いまさら「笑っていいとも」ごとき、
娯楽専用?のフジテレビのドンから、
「テレビの公共性はですな」などと
“ご指導”を受けるとは笑止千万というわけです。

とくに新聞やテレビの低劣化はひどいと思いませんか?
政財界の権力亡者の爺さんどもにへつらったり、
10代、20代の美人スポーツ選手など、
ただ名前が売れている
“有名タレント”の尻を追いかけまわして、
愚劣な“芸能もどき評論家”に品定めをさせる・・・、
「リスナーこそ神様です」といいつつも、
「お笑いと格闘技」報道でお茶を濁す・・・。
視聴率稼ぎに汲々とするためになのでしょうかね。
本来、マスメディアが縦横無尽に取り組むべき、
公益性、公共性に知恵を絞っているとは思えません。
これがメディア企業のコンプライアンス?
とんでもない! 嘆かわしいことです。

「乗っ取り屋をめぐる格闘技」としてばかり報道される、
ライブドア事件にしても、
本来は、テレビ局自体の情報多様化時代に果たすべき、
「使命と役割」が問われているのではないか?
いま、マスメディアが取り組むべきテーマは山積しています。
不況だけではなく、
少子高齢化による「国家財政の破綻」から、
「医療破壊」「家庭崩壊」まで
もう、2年後、5年後には現実に迫ってきているというのに、
ノー天気に構えている。

権力亡者の爺さん、美人アナウンサー、
下卑たお笑いタレント、
決して極論を吐かない芸能もどき評論家・・・
こんな連中が、テレビ画面を占拠して、
思いつきの世論を形成する・・・、
そして、番組を編成する一部のディレクターや
プロデューサーがヤラセを強要してデッチ上げる、
おまけに公金を横領する輩もいる・・・
こんな状態が、まさに「バカの鏡」現象なのでしょう。
まさにジャーナリズムの使命は地に落ちている・・・

これじゃ、“ほりえもん”どころか、
ハゲタカ外資はもとより、
ソフトバンクやインボイスといった
手練手管のインターネットの乗っ取り屋?の
餌食になるのも、やむをえないことでしょうね。
ニッポン放送もフジテレビも、
そして、どこのテレビ局も、口を開けば
「公共性が使命」「リスナーこそ神様」といいますが、
有言実行! はやく、新しい情報時代の使命を見直して、
コンテンツ・ビジネスモデルを作らないと、
「テレビはもういらない!」という時代が
あっという間に来るのかもしれません。

ちなみに、この「暴論」の続きについては、
「どいつもこいつも ガタガタいうんじゃんねえ」
というタイトルで、
いま発売中の月刊誌「ランティエ」5月号
P48〜に書きましたので、
興味のある人は、
気晴らしに読んでみてください。


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2005年4月1日(金)

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