元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第935回
続々、テレビは「バカの鏡」?

「テレビは『バカの鏡』ではないでしょうか」
という邱永漢さんの軽妙にして
痛烈なるHiQエッセイを拝借して、
「ライブドア事件」報道をめぐる
テレビ・メディア低劣化現象について、
前に、ちょっと書かせてもらいましたが
みなさんはどう感じたでしょうか?
なにやら、むかっ腹が立ってきませんでしたか?

お笑い番組はまだしも、
ニュースワイド番組まで、
どんどん「愚民化している」とは情けない。
本も読まない、勉強もしていない、
“単純アタマ”のタレント屋といいましょうか、
ほんとうに、最近、テレビに登場する、
「芸能もどき評論家」には困ったものですね。

HiQの読者なら、
この資本主義の世の中で、
「自分の気に入った企業の株をドカーンと買うことが、
 たとえ、時間外取引であろうと罪悪ではない」
そんなことぐらい、とっくの昔から分かっているはずです。
裁判所が乗り出すこともないんです。
別に、日本は共産主義の国ではありませんから、
己のいのちも、お金も自由裁量で獲得できる――
これは常識であり、処世の原則なんですね。

ところが、どのテレビ局のニュース番組や
ワイド番組を見ても、
アホなキャスターと、
タレント屋というコメンテータが
「わーい、ライブドアが勝った?」
「いやいやいや、最後はフジテレビの逆転勝ちさ」
と、まるで、格闘技かサッカーの野球観戦みたいな
レベルに落とし込んで、バカ騒ぎしている。
「堀江にはビジョンがない」
「お金で何でも出来るなんてけしからん」

とうとう、ほりえもんならぬ、
ライブドアの堀江青年も、
格闘技レベルの面々の
アホなインタビューに呆れ顔で、
切れていました。
「そうしたレベルの話はもうよしましょうよ」
「僕はメディア・IT・ファイナンシャルグループを作りたいんだ。
 ハリウッドに負けない質の高い
 コンテンツの作れるグループにしたいんだ」
と、いうとるではないですか?

ま、フジテレビの会長やニッポン放送の社長ならずとも、
キャスターも、タレント屋、記者も、
全員、テレビという、
一見、広そうに見えて、
狭〜い世界で飯を食っているから、
己の「飯のタネ」を粉々にするような
本質的な話は出来ないんだなあと、
勘ぐりたくなりますよね。
なにが、テレビの公共性だ!
ここのポイントに騙されて、
もし、みなさんも「どっちが勝つか?楽しみだわね」
なんていっていたら同罪なのです。

ことは、フジテレビだけではなく、
ますます痴呆化している、
テレビメディアに対する「警告」が、
今回の「ほりえもん事件」の教訓のひとつなんだと
僕は近頃、むかっ腹が立っているわけです。

ほんとうに、われらが邱永漢さんの予言のとおり、
テレビは『バカの鏡』となってしまった!
つくづく、そう思います。


←前回記事へ

2005年3月19日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ