元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1035回
「壮にして学べ、老にして学べ」

暑さに負けないためにも
元気で長生きするためにも
「一飲一食も薬餌となすべし」
「養生の工夫は、節の一字に在り」
といった、
先人が残した健康訓、処世訓を見直そう・・・
これぞ、スローヘルスの要諦だという話の続きです

ちなみに、この格言を残したのは
佐藤一斎という江戸時代の儒者で
『言志四録』という随筆集の中に書かれています。

「一飲一食も薬餌となすべし」とは、
食べたり飲んだりするものは
すべて身体のためになる薬と思えという意味であり、
「養生の工夫は、節の一字に在り」とは、
養生のコツとは、節約、
つまり「やり過ぎない」ことだという意味です。

ともすれば、食べ物が有り余っているから、
長寿者も増えたのでしょうが、
その分、高たんぱく高脂質の食品の食べすぎで、
現代人は、ガン、糖尿病、心臓病といった
生活習慣難病を抱えながら
長生きしていると言ってもいいわけです。
ですから、この佐藤一斎の残した言葉は、
まさにスローヘルスの金言だと思います。

ちなみに、『言志四録』の言志とは「志を言う」
つまり、生涯の思索体験から編み出された
哲学的な思索の人生観エッセイ集ですから、
多くの財界人や政界人にも信奉する人は多いようです。

小泉首相が、長岡藩の「米百俵」の逸話を引用して、
構造改革の「痛み」を説いたのは、
みなさんもご存知でしょうが、
次に持ち出したのが、この佐藤一斎の
「重職心得箇条」という書物でした。
自藩の美濃岩村藩の重役たちに著した
重臣の部下掌握法です。

それはともあれ、
どうも、政治、経済、会社経営ばかりか、
日本人の健康法、いや生き方自体が、
「欧米の借り物の論理」では
御せなくなってきたと思いませんか?
とくに、人生が長くなればなるほど、
インスタントの論理では間に合わないのです。

もう一つ、佐藤一斉の「言志四録」から
引用させてもらいましょう。

「少而学則壮而有為
 壮而学即老而不衰
 老而学即死而不朽」

少にして学べば則ち壮にして為すことあり
壮にして学べば則ち老いて衰えず
老いて学べば則ち死して朽ちず・・・と読みます。

この言葉は、
拙著「天仙液 ガン治療革命」のあとがきでも
すでに簡約して引用したことがありますが、
いくつ年をとっても「自学自習の習慣が大切である」―、
これぞ「生活習慣難病に克つ秘訣である」と
教えてくれているのではないでしょうか?
若いときはもちろんですが、
「壮にして学べ、老にして学べ」
スローヘルスのキーワードとして覚えておきましょう。


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2005年6月27日(月)

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