元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1164回
ほんとうの「スローヘルス」とは

まえに書きましたが、
「スローフード」「スローライフ」
という言葉が流行っています。
巷に蔓延するファーストフードや
クイックライフといった、
食や生活の画一化に反対する
警鐘として起こった「自然回帰活動」ですが、
僕たち、ガン患者が中心になって提唱しているのは
「スローヘルス」というキーワードです。

しかし、「スローヘルス」とは
「健康法」といった
狭い意味のキーワードではありません。
これからの長寿時代に役に立つ、
処世の知恵、生活の知恵としても
役立てることが出来ます。

ちなみに、スローヘルスとは、
スウェーデンの植物学者・リンネの
「自然は飛躍せず」
(Natura non facit saltum)=
自然はゆっくり、ゆったり、
しなやかに変わるものだという
金言にちなんで命名した造語ですが、
僕の愛読書である、
山本周五郎の長編小説「ながい坂」で、
主人公が
「人間の一生は長い、
 一足とびに登るより、一歩々々を大切にせよ」
としみじみと語る箇所がありますが、
それに共通する処世術にも近い発想なのです。
ここに「スローヘルス」の本義があります。

また、敬愛する作家の邱永漢さんの
30年前の名著に
「悪い世の中に生きる知恵」がありますが、
この中で予言されているように、
どうやら、これからもロクな社会ではありません。

たとえば、税収予算40兆円の政府が、
赤字40兆円の特殊法人を助けたり・・・
おまけに「平和国債」などの美名に隠れて、
“海外派兵”支援の個人国債まで出かねない様相です。
昔、紙くずになった、
想像したくないことですが、
「戦争国債」の二の舞などご免ですね。

そうしたツケはというと、
受け取る年金は減る、医療費負担は増える、
おまけに消費税増税などが
一人一人の肩にずっしりと
のしかかってくるはずです。

というわけで、ますます、
わが身の「健康が宝」の時代となってきました――
もちろん先を読んで
「元気で長生き」の人生再設計の工夫を
いろいろ凝らしている読者は多いでしょうが、
ただ、健康法を励行すればよいと
いうわけにはまいりません。
先立つものは、お金であり、
バランスのよい生活設計こそ「健康のもと」となります。

いやむしろ、
スローヘルスを、より広範囲に応用すれば、
まさに「元気で長生き」の
ゆったり処世術の知恵となるのです。
では「スローヘルス」を、
どう処世術として応用すればよいか?
その3原則について、明日、述べましょう。


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2005年11月3日(木)

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