元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1175回
「ホリスティック」の反対語は「アトム」

このコラムでは、
新しい医療のあり方として、
人間臓器の細部だけを診るのではなく、
いのち全体を診る
「ホリスティック医学」の必要性について、
なんども書いてきました。

しかし、まず「ホリスティック」という言葉が、
横文字恐怖症の日本人には、
舌を噛みそうで、
なかなか発音も難しい言葉の一種なのですね。
ここに、いまひとつ、
ホリスティック医学が
一般に流布されがたい原因があるように思います。

ちなみに、おさらいとはなりますが、
Holistic(ホリスティック)とは、
ギリシャ語の「holos」(全体)を語源としています。
そこから派生した言葉に
whole、heal、holy、healthがあるわけです。

いま『Holistic』という言葉は、
「全体」「関連」「つながり」「バランス」
といった意味で使われていますから、
わかりやすくいえば、
ホリスティック医学とは
「命のつながりの医学」
「命のバランス医学」とでも頭にいれておくと、
西洋医学が見放しているガンや慢性難病に、
なぜ役立つのか――、
それが理解しやすいと思います。

もうひとつ、ホリスティックという言葉について、
覚えておくのに簡便な方法があります。
それは、ホリスティックの反対語は何か?
ということです。

ちなみにホリスティックの反対語は
「アトム」つまり「アトミック」なのです。
アトムなら、原子(げんし、Atom)、つまり、
「物質を構成する最小の物体のこと」であることは、
漫画の「鉄腕アトム」を引き合いに出すまでもなく、
小学生でも分かります。
アトムとは、原子ですから、
「アトム的な考え方」とは、
ものごとを細かく分解して
見ていくことでもあるわけです。

ですから、「ホリスティックな考え方」と聞いたら、
アニメの鉄腕アトムのメロディでも思い出しながら、
ま、「反アトム発想」とでも覚えて、
おいたらよいでしょう。

ミステリアスに満ちた人間の体や物事を
ただ細かく分類して証明することが
人間の幸福、命の活性化に
つながるものではありません。
アトム的な科学分析主義の横行する一方で、
「命のつながり」「命のバランス」を全体的に見ていくこと、
つまり、反アトム=ホリスティックな発想にこそ、
「絶望を希望にも変える」発想法、治療法ではないか――、
この複雑怪奇な時代だからこそ、
難病の治療法はもちろん、
日ごろのライフスタイルや、
処世術についても
「ホリスティック発想法」を応用していくことが、
大切になってきたと、僕は思っています。


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2005年11月14日(月)

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