元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1197回
老後を上手に過ごす「3つの言葉」

11月23日(水・祝日)に開かれた、
「介護をもっと、ホリスティックに」
講演会の続きです

          *

私の母のボケ症状は、
10年前から急激に進行し、
排便の垂れ流し、近所の徘徊が激しくなりました。
もちろん、食事を終えて1時間とたたぬうちに
「どなた様か、ご飯をいただきたいと存じます」と、
慇懃無礼に訴えるようになりました。

また、汚物をつけたまま、
家中を動き回ることもありますから、
毎日、汚れた母の着替え、
部屋を水で洗う掃除の繰り返しです。
元気で明るかった母の急変に悲しくなりながらも、
ハッキリいって、あわてまくりました。

ところで、介護をうけるときに覚えておくべき
「3つの言葉」というのを、
みなさん知っているでしょうか?
「お世話になります」
「美味しかったです」
「有難うございます」――、この3つです。

不思議なことですが、
わが母も、直感的に、これを心得ていたようで、
「お世話になります、美味しかった、有難うございます」
という、老後を上手に過ごす「3つの言葉」を
口にすることを忘れない、
なかなか、したたかなボケ母でした。

また、機嫌がよいときは大声で
「どっこい、どっこい」と掛け声をかけながら、
庭で一人遊びを楽しんでいましたので、
腹も立つこともありましたが、
子供のように愛嬌があるのは救いでした。
それにしても、若いときは想像もしなかったこと、
有吉佐和子の小説「恍惚の人」で書かれている事件が、
次々とわが家の中で、
現実に起こったから慌てまくりました。

ある日、
「関根さ〜ん、おばあちゃんが、
 道で転がって頭に怪我をして救急車で運ばれましたよ」と
近所の人が駆け込んできました。
昼夜を問わない徘徊のたびに、
迎えにいったり、病院にも入院させたりしましたが、
病院は、認知症患者の長居は許しません。

在宅介護を続けている8年前の冬の最中、
私自身も疲れが出たのだと思います。
突然、胃の上辺りがひきつけるように痛くなり、
若いころの無理も祟って、
食道の悪性のガンが発見されてしまったのです。
こんどは、私自身が
ガン病棟に入院することになったわけです。
まさに、二世代闘病のダブルパンチです。

その間、母の徘徊はさらにひどくなり、
とうとう、道で転がって
大腿骨骨折という事態になりまして、
困り果てたのは、介護する側の妻でした。
母と僕の二重の介護は出来ないので、
意を決して、母を埼玉県のある介護型医療施設に
預かってもらうことにしたわけです。
母と僕たち夫婦の、
のんびりとした二世代暮らしは、
まさに「母はボケ、俺はガン」の二世代闘病の日々に
変わってしまったことになります。


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2005年12月6日(火)

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