元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1241回
続々・テレビのガン番組を問う!

NHKの番組「日本のがん医療を問う」の続きです
この番組の第2部にしても、
以下のような抗ガン剤と痛みの緩和ケアの問題点が
つぎつぎと明らかにされました。

・とくに末期症状の痛みの治療が遅れている
・治療しながら緩和ケアできないのか?
・抗がん剤治療と痛みの緩和ケア治療が分かれているがおかしい
・ホスピス=死をすすめられても治療はあきらめられない
・モルヒネに加えて鎮痛補助剤を使うのが最新の緩和ケア医療だ
・病院内のセクショナリズムや縦割り医療制度が問題だ

大いに、こうした治療システムの改善が
急がれるべきでしょう。
年間1万件の問い合わせが殺到するという、
静岡がんセンターの「よろず相談」なども
紹介されていました。
しかし、この番組全体が
「抗ガン剤は魔法の弾丸だ」という
妄信を基にして作られた点が問題だと僕は思っています。
本来、問われるべきは、
抗ガン剤大量投与という「標準治療制度」自体でしょう。

抗ガン剤はガンも叩くが正常細胞も叩く――
抗ガン剤の治癒率(寛解率)は20%前後で認証されている――
多くの患者は、ガンに苦しんでいるのではなく、
治療の痛みに苦しんでいる――、
緩和ケアとは、ガンの痛みではなく
「抗ガン剤」の痛みから解放されているに
すぎないのではないか?――、
という抜本的な問題です。

そして、番組の第一部同様に、
「国主導で緩和ケアを行っているイギリスを見習え」
「イギリスのようにデイ・ホスピスを作るべきだ」
「WHOの緩和方式を徹底せよ」・・・という
またしても、欧米モノマネの医療制度化のすすめを展開して、
番組を締めくくりました。

じつは、一見、これが問題をついているようですが
核心がずれている・・・、
ガンというミステリアスな病気と
治療のあり方の本質から逃げている番組だなあ・・・
僕はそう感じました。
こうした「技術」と「制度」のみに
ガン治療問題を限定した番組を見れば見るほど、
からだ、こころ、いのちの
人間丸ごとのホリスティック医療の見直しを
感じるのは僕だけではないと思います。

いつもテレビのガン番組を見て思うのですが
番組の作り方の大抵が「闘病お涙頂戴」式、
もしくはこの番組のように
「抗ガン剤妄信」式の番組です。
「医術と制度」に限定するのではなく、
人間丸ごとの人生病に、
もっともっと「いのちの解決策」を求めるべきでしょう。
まさに「医師は修理工にあらず」です。
「患者のあきらめない心が最大の良薬」です。

帯津良一医師の言う「人間の寂しさのわかる医師」が、
大病院だけでなく、かかりつけ開業医にも、
代替療法医にもたくさんおられます。
こうした心ある医師を、
日ごろから探しておくこと、何人かと絆をもっておくこと、
そして、自分に合った「いのちの場」を広げておくことが、
これから元気に長生き、いきいき生きる、
そして、納得した治療、悔いのない治療を得る
基本的な姿勢だと思いました。

いまの時代は、まさに
「明日はわが身」
「気がつけばあなたもガン」だからです。


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2006年1月19日(木)

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