元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1270回
患者が選ぶ「いのち本」7冊

3月1日に発売される新雑誌「いのちの手帖」は、
ほんとうに小さなメディアですが、
ヒト情報のモノ情報化、
情報の激安化、情報の100円ショップ化、
そして、メディアの金太郎飴化は、ちょっとおかしいぞ?
そうした、ささやかな反発心から発案された雑誌だ――、

採算を度外視しても、
人間本来の“いのちの絆”を見直す雑誌を作ろうと、
あえて、キャッチフレーズも、
「心のマッサージ・マガジン」と銘打った――、

書いた人から読みたい人へ、
そして、読んだ人から、さらに読みたい人へ・・・、
スローヘルスの輪が口コミとインターネットで伝わる、
そうした「グッドニュース(福音)読本」としたい――、
という話を書いてきましたが、
その中に「本の愉しみ」という書評欄がありまして、
スローヘルス研究会の「いま読むべき推奨本」7冊を
ノミネートしています。
いわば元気で長生きするための
患者だから選ぶ「いのち本」7冊ですが、
今日はその話をしましょう。

ガン本の書評といっても、著者が権威のある有名教授や、
大病院の院長の医学書といったことにはこだわりません。
一般書や家庭医学書を装っていても、
「学位論文」に近い本が多く、
はっきりいって、自らの外科療法、化学療法、放射線療法、
さらに免疫療法の「優位性」のみを競うものが多いので、
そうした基準では選びませんでした。
なんとしても「いのちを掴みたい」
と願って闘っているガン患者からみれば、
ほど遠い内容のものも多いからです。

いま、多くの患者と家族が待ち望んでいるのは、
“切る、焼く、叩く”といった、
ただのガン医術マニュアル本ではなく、
「いったい、どうしたら私のいのちは助かるの?」
と訴える患者の魂にズバリ答える
「患者学的治療学」の本ではないでしょうか?
だからといって、
やたらと患者な体験的闘病記や説教本を読めばよい
というものでもありません。

まえにこのコラムでも紹介し、
スローヘルスの会にも参加してくださったことのある、
ガン闘病歴10年――、
それも、前立腺、大腸、胃と多重ガンを克服してきた、
先輩ジャーナリストで、
前「週刊金曜日」の社長・黒川宣之さんが
自らの雑誌に体験記を連載していたころ、
「僕の闘病記は“体験的治療学”として考えています」と
じつに、これからのガンの本の役割を
明快に述べていたことを思い出します。
『医者はマラソンの伴走者であれ』という
僕の敬愛する主治医・帯津良一医師の持論もあります。

というわけで、しなやかな患者学、
ゆったり健康学を目標とする
スローヘルス研究会・編集の雑誌
「いのちの手帖」の書評には、
医師の論文のためではなく、
なんとしても、編集の姿勢が
「患者が主体であるかどうか?」――、
そうした「患者学的治療学」をモノサシにして、
「患者のいのち本」を
選んでみよう、推奨しようと、考えたわけです。

では雑誌「いのちの手帖」が推奨する、
「患者学的治療本」の7冊とは?
もちろん、帯津医師の新著や、
「週刊金曜日」の闘病記を単行本化した
黒川宣之さんの新著などを
「患者だから選ぶ、いのち本」7冊
として取り上げてありますが、
話の続きは、また明日・・・。


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2006年2月17日(金)

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