元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1298回
続・花粉症とホメオパシー

帯津良一医師と板村倫子医師の共著
「花粉症にはホメオパシーがいい」(風雲舎)の話の続きです。

この本では、
花粉症、偏頭痛、成人型アトピー性皮膚炎など、
治りにくい症状を小さな粒(レメディ)を舐めるだけで、
何らかの効果を感じたり、
痛み・かゆみが苦にならなくなるといった原理と症例が
次々と紹介されているわけですが、
気になる花粉症については
第2章の「治療現場からの報告」に詳しく触れられています。

花粉症に限らず、
アトピー性皮膚炎、気管支喘息などの
アレルギー性疾患を持っている日本人は
3割にも達するそうですが、
ただし、いまの西洋医学のように
なんらかの薬を飲めば“一発で治せる”といった
単純な発想ではなく、
心身全体の調和を考えて、
それぞれの自然治癒力に働きかけて治す・・・
このホメオパシーの原理を理解してから読み進むと
この療法の画期的な発想についていけると思います。

「アトピー性皮膚炎、気管支喘息だけでなく、
頭痛や抑うつ、月経痛、胃痛などの疾患を治したいと
希望して来院する患者さんの多くは、
その症状で改善される過程で、
花粉症の症状も自然に回復することがよくあります」
と板村倫子医師が解説しています。

ちなみに、ホメオパシーの処方は、
いまの西洋医学のような対症療法とは発想が違います。
“病気の原因物質と類似の物質”を希釈した
レメディという小さな粒をなめるという、
いわば“同類療法”"同種療法”と呼ばれるものです。
ホメオパシーによる
花粉症治療についてくわしく書かれていますが、
以下のような
3つの段階による方法で行われるということです。

(1) アイソパシー(isopathyi)
疾患の原因物質から作られるレメディを利用する治療法。
iso=「同類の」を意味するギリシャ語で、
たとえば、スギ花粉症であれば、スギから作ったレメディを使う。

(2) 症状に対応した治療
アイソパシーの次の段階は、
症状に対応したレメディが選ばれる。
具体的にはくしゃみはどの程度か、
鼻水はどうか、鼻づまりはどうか、目のかゆみは?
と問診して、こまかくレメディを選んでいく。

(3) 症状で選んだレメディが効果がない場合は、
よりその人に合わせた、
全体の症状を考えた体質的な処方がなされる。
この場合の問診は、
症状だけでなく、その人の情緒、性格、体温、睡眠、
食欲、嗜好、喉の渇き、発汗など
全身の生理的な状態をこと細かく行う。

どうでしょう? 心身丸ごとの患者の生理的な状態を図った上で、
全体のバランスから見ていくわけで、
いまの大学病院のマニュアル治療などとは裏腹の関係にある
まさに「ホリスティックな 医療」というわけです。
ホメオパシーを受けた、年齢別性別の患者の症例も
くわしく掲載されていますから、
花粉症に悩む人、
ホメオパシーに興味のある人は、
一読をおすすめします。


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2006年3月17日(金)

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