元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1339回
続・電車を待つ間にも出来る気功法

季刊「いのちの手帖」で連載中の
鍼灸師であり、気功師である鵜沼宏樹さんが、
「がんを治す在宅療法大事典」に解説しておられる、
「鵜沼式・9つの簡単気功法」のうち、
電車やバスを待っている間にもできる
「站功」の話の続きです。

「站功」には多くの種類がありますが、
基本站功と見なされているのは、
三円式と下按式の二種類です。

         *

乳がんの手術をしてまもない人は、
三円式で、両腕で乳頭の高さで円をつくることは困難です。
このような場合は、
両手でつくるボールをおへその位置まで下げて行ないます。
また、体力的に両腕を上げることすら無理な人は、
両手をおへその上で重ねて立ってもよいし、
腰にあてて立ってもよいと思います。

意識は前方に見える何かに集めてもよいし、
丹田に集中してもよいし、
呼吸に集中してもよいと思います。
要は、雑念をなくすことです。

呼吸は自然呼吸でよいことになっていますが、
私は帯津流で、「逆腹式」で丹田を強く意識することにしています。

*註・逆腹式呼吸とは?

腹式呼吸法には
(1)順腹式呼吸、
(2)逆腹式呼吸の二つがあります。

(1)順腹式呼吸法とは、
息を吸うときに腹に力を入れて
下腹部を膨らませ、
ヘソ下の丹田からゆっくりと息を吐くとき、
下腹を元通りに縮めるものです。
(2)逆腹式呼吸法とは、
下腹の動かし方を順腹式呼吸法の逆に行う方法です。
息を吸うときに、下腹をへこませ、
丹田から息を吐くときに下腹を脹らませるものです。

站功の場合は、上虚下実ができあがってしまえば、
動作は何もないわけですから、
これに気を奪われることがありませんので、
呼吸に専念できることもひとつの利点です。
気功の三要である調身・調息・調心は
いずれも重要であるから三要といわれるのであって、
どれがいちばんということはありませんが、
帯津流では「調息」、つまり呼吸にいつも気を配っています。

それは、気功というものは
私たちの丹田という空間と、
虚空の永遠の生命に満ちた空間とを
一体化するものであり、
丹田の空間と虚空の空間を結ぶものが
呼吸であると考えているからです。
吐く息によって、私の丹田の場の情報を虚空に伝え、
吸う息によって、
虚空の永遠の生命の情報を下丹田に至らせる
ということを丹田呼吸を行ないながら考えています。

このように吐く息、吸う息に集中していると、
いつか自分の体が周囲の空間に融けてなくなってしまい、
感じるのは足の裏の感覚だけになってしまう、
ということが時にあります。

練功の時間は30分ぐらいが適当のようですが、
帯津三敬病院では患者さんたちといっしょのときは
5分とか10分程度にしています。


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2006年4月27日(木)

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