元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1369回
薬とエビデンス(立証性)について

「希望こそ良薬! あきらめは毒薬!」という、
ガン克服の秘訣についての話の続きです。

いま発売中の
季刊「いのちの手帖」の巻末大特集・30ページで
ホリスティック医学の権威・帯津良一医師と、
中国漢方の第一人者である王振国医師による
「もうひとつある ガンの治し方革命」という
6時間の対談で、このあたりの理論と実践の裏話が
たくさん語られていますので、
まだ読んでいない方のために、
実践現場からの新しい提案について続けて再録しましょう。

                *

●薬とエビデンス(立証性)の問題点

帯津 まあ、お互いに、なんとかして、
西洋医学の限界を乗り越えたガン治療を捜し求めて
必死だったわけですが、
いまだ王さんの開発した漢方薬は
日本では認可されていません。
しかし、めげずに、当時(16年前)から、
日本のあちこちの病院に出かけては、
熱心に説明されていたようですね。

 帯津先生の病院に伺う前に
国立がんセンターを訪問したことがあります。
実験結果に対して、シンポジウム、
検討会なども開いてもらいました。
私の漢方薬が非常に良く効くという
レポートにびっくりしているようでしたが、
ただ、数パーセントですが、
成分を企業秘密として公表しなかったために、
よい感触は得られませんでした。
ですから、帯津先生に対しての印象は非常によかった。

帯津 そのときの話は知りませんでしたが、
私のところにきたときも、
一緒に国立がんセンターに行きましたね。

中国語が非常によくできる乳腺内科の医師と
キノコの研究をしている医師が熱心に聴いてくれましたが、
やはり、全部の成分を公表しなければ駄目だというわけです。
王先生の方は、どうしても国家秘密に属する成分があるが
それをいうわけにはいかないというので、
物別れになったことがありました。
それぞれの国によって薬事法の基準が違いますし、
また、現実には、ガンの新薬の認可のというものは
膨大な時間と検証の費用を要します。 
最近、日本でも、
肺ガンの新薬イレッサなどがスピード認可されましたが、
これとて問題を残しています。

 とにかく、目の前で苦しんでいるガンの患者さん、
大きな病院で見放された患者さんや家族の方たちの姿をみていると
なんとしても、あきらめない治療設計を
工夫していくことに知恵をしぼるのが、
私にしても帯津先生にしても当然の役割ですが、
こと、新薬とか、新しい治療法の認可となると、
患者の期待とはなかなか折り合い事情が
現実にはたくさんありますね。
とくに、西洋医学の医師たちは、
エビデンス(立証性)ないものは駄目だと、
「エビデンス」「エビデンス」と、
こればかりを盾にして、なかなか新しい治療法に意欲的にならない
とくに漢方や伝統療法については認めたがりません。

帯津 そうですね。私たちのいのち、
私たちが生きているということは、
科学的な立証性、つまりエビデンスだけでは語れないものが、
たくさんあるわけです。(略)

 33年の研究の過程で痛感したことですが、
私は薬を開発するときには、いつも動物に使うためではなく、
人間に使うことを考えてます。
ちょっと、極論に聞こえるかもしれませんが、
ある薬が、ネズミなどの動物に効いたからといって、
人間に効かなければ意味がないでしょう。


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2006年5月27日(土)

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