元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1375回
続「バランス処世学」のすすめ

免疫バランス、ホリスティック医学、そして
スローヘルス患者学といったものを、
ただ伝統療法や神秘思想の系列に属するなどと
無視するのではなく、
これまでの西洋思想の限界を突き破る、
新しい「バランス学、より実践的な処世学」だと
考えたらよいと思う・・・こうした話の続きです。

さて、「新しいバランス処世学」とはなにか? 
先日、そうしたことを考えていたら、
「釈迦の教えは『感謝』だった」(風雲舎・1500円)
という新刊が送られてきました。

内容をかいつまんで紹介しますと、
《釈迦は、この世の悩み・苦しみの根元は
「思いどおりにならないこと」と見抜いた。
だから、「思いどおりにしようとしないで、受け容れよ」と言った。
「思いどおりにしよう」としないで、
「受け容れる」ための釈迦の教えこそ、自分が楽になる方法だ。
その究極の教えは「ありがとう」に尽きる》というのです。

さらに、《釈迦は、2500年前に、
この構図を発見し、般若心経の形で残した》
として、じつにユニークな視点から、
般若心経を分かりやすく説き起こしていますから、
この短いお経を改めて勉強してみたい人にも、
なかなか面白い本です。
般若心経の最後に出てくる「娑婆訶(そはか)」とは
「これで成就せり」という意味だといったことも分かります。

ここまで書いてくると、
どこかの高名なお坊さんが書いた本のように見えますが、
著者は、小林正観さんという方です。
略歴によれば、
「1948年東京深川生まれ。中央大学法学部卒。
心理学・社会学・教育学博士。作詞家&歌手。
学生時代よりESP現象、超常現象などに興味を抱き、
旅行作家のかたわら研究を続け今日に至っている。
それぞれが喜ばれる存在になろうと、
「嬉しい」「楽しい」「幸せ」の頭文字をとった
「うたし会」を主宰(宗教者ではない)。
コンセプター(基本概念の提案者)として、
「ものづくり」「人づくり」
「宿づくり」「町づくり」などに関わっている」という方です。

僕はまったく面識はないのですが、
出版元の社長である山平松生さんと
親しくさせてもらっているので、この本を知ったわけです。
この風雲舎という出版社※1は、まえに紹介した、
帯津良一医師の「いい場を作ろう」
「花粉症にはホメオパシーがいい」や、
翻訳家の藤野邦夫さんの「48時間浄化法」といった、
ユニークな健康本を出していますが、
小林さんと山平さんの対論集「宇宙方程式の世界」といった、
精神世界の本もたくさん出版しています。

さて、近刊「釈迦の教えは『感謝』だった」の話に戻しますが、
副題は『悩み苦しみをゼロにする法』というのですから、
いわゆる、難しい宗教本ではなく、
東洋の一元論に基づいた、読みやすい処世本です。

ただ、誰でもがお釈迦様のように
「思いどおりにしようとしないで、受け容れよ」
「すべては感謝」といわれても、、
100%悟るわけには、なかなかいかないわけで、
煩悩多き僕としては、前回も書いた、
エントロピーの法則ではありませんが、
「人生、攻めもあれば守りもある」という、
バランス処世学の本として楽しく読ませていただきました。
ともあれ、ふつふつと勇気が湧き出てくる、おすすめの一冊です。


※1  http://www.fuun-sha.co.jp/


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2006年6月2日(金)

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