元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1393回
気功と「エントロピーの法則」

スローヘルス延命学の基本は
「1に食事、2に気功・・・薬は最後」といった、
日本人らしい「養生の知恵」にある――、
玄米菜食のみならず、気功も
いま流行のダイエットや便秘解消のキーワード=
デトックス(解毒)による養生法だ――、という話の続きです。

気は、東洋医学でいう、目には見えない生命エネルギーのことで
体内の経絡(けいらく)という通路を流れているとされています。
血液やリンパ液などと違って、目に見えない循環の世界ですから、
西洋医学サイドから見れば、
非科学的な象徴のように考える人も多いわけです。

しかし、気功や針灸でも体感できるように、
気は、元気、勇気などの用語でも使われるように
心身全体のつながりを整えるパワーを秘めていますから、
物質の機械的分析による
西洋医学の手法に馴染まないだけで、
いのち全体を考えるホーリズムや東洋医学のサイドからは、
『金匱要略』にあるように独自の理論で、
かなり詳細に分析、伝承されているわけです。

そればかりではありません。
気功の権威である帯津医師などは、
いのち全体を考えるホリスティック医学の立場から、
熱力学の第二法則=エントロピー増大の法則
(熱エネルギーはお湯が冷めるが如くに
劣化、衰退するという法則)で、
「気の正体」を科学的に体系化しています。

ご存知のように、熱エントロピーを処理し、
地球、自然全体を維持、回復するために
「大気循環」と「水循環」、
さらに、リサイクルのような
「物質循環」の仕組みを繰り返してきました。
もちろん、人間も「食循環」や
「呼吸循環」を繰り返して生命を維持し、
この30数億年、衰退や劣化を乗り越えて、
進化を遂げてきたわけです。
というわけで
「エントロピー減少のエネルギー」となる最たるものが、
気のパワーにあると、帯津医師はいうのです。

東洋医学のサイドのみならず、
西洋物理学のサイドから見ても、
全体の循環、
全体のつながりを体系化しようと考えているのですから、
帯津医師はさすが頭脳明晰な科学者です。
たとえば、食事ひとつにしても摂取だけでなく
排便、排毒を促す「食循環」を重要視すべきだという発想です。
そして、気功による「気循環」こそ、
エントロピー増大を処理する生命維持、生命活性の仕組み、
つまり、エントロピー減少の
最大のパワーになると強調するわけです。

もちろん、気功とは「自然治癒力」を養う、
中国でもっともポピュラーな積極的な鍛練法に間違いありませんが、
いま風に解説すれば、
気とは、ホメオスタシス(恒常性の維持)、
あるいは免疫も含めたうえでの自己の秩序性、調和性を
保たせるエネルギー源だと、考えたらよいと思います。

人間のいのちも「劣化」「酸化」して衰えていくものですから、
少しでも元気よく長生きするためにも
気功や玄米菜食による「循環型養生法」、
ないしは「エントロピー減少養生法」を心していくべきなのです。
玄米菜食法や気功を、東洋の古臭い養生法だとか、
エビデンスのない胡散臭い治癒法であるとか、
馬鹿には出来ません・・・
いまデトックス(解毒)が見直されている所以です。

玄米菜食法にしても、気功にしても、
最新医学に立ち遅れた古い養生法などと無視できない、
いや、下手な薬より以上に大事にすべき延命学なのです。


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2006年6月20日(火)

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