元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1438回
患者が変われば病院も変わる

大病院の医師たちも、もういい加減に、
いま承認されている、
手術、抗ガン剤、放射線の「功罪」と「限界」を情報公開し、
「切れば完治します」などと、もったいぶったことを言わずに、
「ガンは感染症や切り傷の治療のようにはいきません」
「人間の命は機械修理のようにはいきません」
と、もっと素直に、患者と家族に明言した上で、
患者が上手に延命できる、
複合的な治療方法を設計してあげるべきではないか――、

患者実態に見合った「情報公開」をすべき時代だ――、
からだ、こころ、いのち・・・人間全体を診る
ホリスティックな医療への転換が、
患者と家族はもちろん、
医療関係者に、緊急に問われている――、
という、ガン医療改革への私論の続きです。

僕は医師ではないのでわかりませんが、
この近代百数十年で培われてきた、
西洋医学一辺倒の医学界、医療界の強固なシステムが、
一朝一夕には変わるとは思えませんし、
それなりの職業的な言い分もあるでしょうから、
まずは、患者と家族が、
「神の手を持つ医師がいる」などといった妄信を捨てることが、
ガンを乗り越える近道だと、痛感しています。

とくに切り傷擦り傷と違って、
ガンは、まさに、患者ひとりひとりの
生活習慣に関わる病気ですから、
まず、患者が意識を転換することが
治療のスタートと考えましょう。
ガン治療こそ「主役は患者」といわれる所以がここにあります。
もちろん、最新機器による検査が受けたければ、
最先端の病院にいくのも患者の自由なわけです。

僕は8年前に、お膳立てされていた手術を拒否して、
病院を“脱走“した経験があり、
なんという患者だと呆れ返られました。
また、僕の知り合いの患者の中には、
病院内の口コミ情報を周到にチェックして、
主治医を“逆指名”する人もいます。
自分が納得できる治療を受けて15年も延命しています。

昔は「患者の常識は医師の非常識」などと
馬鹿にされましたが、
これから患者と家族が「己の命は己で守る」――、
これが常識の時代になってきたと思います。
この考え方の是非を問うまでもなく、
医療費自己負担はどんどん増えてきますから、
“ゆったり長生き”のスローヘルス患者学が
ますます常識の時代となってくると思います。

もちろん、この長寿災難時代に対応する
ホリスティックな治療発想の医師や病院も
少しずつですが増えてきましたから、
大病院と、こうした病院の代替療法を
併用する患者も増えているわけです。
昔は、代替療法は立証性のない
いかがわしい療法だとして無視していた大病院の中にも、
もう末期ガンで手の施しようがない患者とわかると、
「どうぞ、そちらに行ってください」などという医師も
出てきたといいますから、時代が変わってきました。
ガン治療も建前だけでは通用しなくなってきたのでしょう。

ガン患者激増、ガン死亡者急増、
長寿災難時代のエスカレートをただ嘆くだけでなく、
「患者が変われば病院も変わる」――、
そうした意識改革の時代が来ているのではないかと思います。


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2006年8月4日(金)

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