元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1465回
「読み方注意!」の患者学本

3年ほど前、「買ってはいけない」という連載や本が、
週刊金曜日という雑誌社から出て、
以来、「食べてはいけない」「使ってはいけない」といった
有害食品や有害化粧品などを告発する本がブームになりました。
その週刊金曜日の書評欄には、
毎号「読んではいけない」とか「読み方注意」
という書評コーナーがあります。

たとえば、理想の国家論を並べ立てた本の著者の持つ
私利権益欲の側面をやんわり暴いたりするので、
僕は、ときどき面白がって読んでいるのですが、
ガンの本にも「読み方注意」の本がたくさんあります。

ま、さしづめ、食道ガン手術の寸前で、
「切ってはいけない」とばかりに大学病院を脱走した
僕の闘病記などは、医師の世界や、
それに追従するマスメディアから見れば
「読み方注意!」の部類に入ってしまう
憤懣モノかも知れませんね(^0^)。
おまけに、西洋医学に限界ありとして、
代替療法や養生法も大いによろしいと薦めるわけですから、
「注意!」どころか
「読んではいけない」といわれるのが落ちでしょう。

しかし、僕の闘病記や患者学読本を読んだ人なら分かるとおり、
「患者を壊れた機械」のように扱う
「切り捨てご免」式のガン治療が、いかに患者を苦しめているか?
これについて体験的かつ症例的に情報公開し、
その解決策として、いのちのつながりを診る高次元の医療=
ホリスティック医療の必要性を説いたものですから、
とくに長患いして賢くガンと共生して来た患者さんからは
多くの支持を得ているわけです。

医師の常識が正しいのか?
患者の偽らざる常識が正しいのか?
これは論争しても始まらないわけで、
患者は少しでも納得いく治療と人生が設計できればよいわけです。

それにしても、いろいろ有名医師によるガン本が出てくるものです。
ま、長年延命してきた患者の僕から診れば、
よく、こんな白々しいことを書けるものだと思いたくなる
有名教授の書いた「患者学」本まで出ているのにはビックリします。
先日も、あるブラックジャックといわれる名医と、
ナイチンゲールとでも言われそうな名看護士の共著名の
「ガン患者学」風のマニュアル書が、
知り合いの出版社から送られてきたのですが、
「これからは患者主体の医療だ」
「インフォームドコンセントが大切だ」
「セカンドオピニオンの時代だ」と
まるで「ばら色」の情報公開治療が
ガン病棟ではなされているから
「安心しなさい」といった内容なのです。
ガン病棟の患者や家族の生の声に答えているのではなく、
自分たちの病院運営の都合に「患者は合わせなさい」
「それがよい患者です」とでもいいたいのではないか?
そう疑いたくなるような
欧米モノマネ医療システムの解説書なのですね。
ちっとも、親身な患者との対話など伝わってこないのです。

気になる「抗ガン剤の問題点」
という項目を読んでビックリしました。
「服用を忘れるな」ということが第一で、
あの人生が嫌になるような「副作用の疼痛・激痛」については、
終わりの方にほんの5行しか答えていないのです。
それに引き換え、先日の『アガリクス本』逮捕事件を
やけに詳しく糾弾し、懸命に代替療法を
否定しまくっているのが面白い対比でした。

ちなみに、長患いの患者から見れば、
こうした本は良し悪しを論ずる範疇にもないわけですが、
いづれにしても、
患者サイドではなく治療サイドの都合だけから書いた
「ガン患者学」本は、これからはとくに患者にとって
「読んではいけない」本となりますから、
みなさん、くれぐれも『読み方には注意!』してください。


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2006年8月31日(木)

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