元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1483回
散歩とトキメキ、散歩とヒラメキ

「生命の躍動こそいのちの源泉」
「トキメキは破滅の淵から生まれる」という話の続きです。

いま若者に人気のある脳科学者・茂木健一郎さんの本を
読んだ人もいるかもしれません。
茂木さんの代表的エッセイ「脳と創造性」(PHP)は、
てっとりばやく紹介をすれば、
「コンピュータと人間の脳は決定的に違う!
脳は『創造性』という
素晴らしい能力を持っている」という内容です。

おそらく、若い人からはビジネスの成功や、
コンピュータ社会の創造性といった方面から、
好んで読まれていると思いますが、
僕は、この本の奥には、ベルグソンの哲学に繋がる
「いのち学」としての深遠なる提案が
詰まっているもの思って読みました。

ともあれ「脳と創造性」の関係を、
じつに分かり易く解説してくれていますから、
まだ読んでいない人は読んでみてください。
ビジネスに関わる創造性として読むか、
いのちに関わる創造性として読むかは自由ですが、、
なぜ、人生は「杓子定規」のようにいかないのか?
この人生の不確定な構造からの脱出法とでも言うべき
「脳科学の知恵」が、玉手箱から出てくるように、
次々とメッセージされて来ますから、
読んだら、あなたも、きっと「こころトキメク」はずです。

「不確実さに耐えて、
未来に希望を抱き続けることができる者だけが、
創造性の種を現実の形にすることができる。
未来に対する不安と希望は、表裏一体の感情なのである。
新しくこの世に生み出されるものは、
しばしばブザマで、ぎこちない様子をしている。
しばしば白鳥よりもアヒルの子に可能性がある。
醜さの中に潜む生命の可能性こそが、世の中を動かすのだ」

要するに、この世は不確定だから人間は創造し、進化した――、
人間がウダウダと悩むことから創造性が生まれる――、
退屈や人生の空白こそ創造を生む源泉だ――、と言うわけです。

さて、この本を読むと、このコンピュータ社会では
常識化している「機械論的人生観」が変わってきます。
もちろん、医学、さらに広い意味での
「いのち学」についても発想が広がるはずです。

とくに、ベルクソンの「生命の躍動」(エランビタール)
という考え方を理解したうえで、
こうした脳科学者の本を読むと、
「脳の創造性」を高める方法が分かるだけでなく、
生命の進化に連なる「いのちの創造性」についての
ダイナミックなパワーも掴めるはずです。

ま、僕だけの勝手な解釈かもしれませんが、
ガンのような病気も、身体だけでなく精神や霊性を含めて
ホリスティックに治療計画を組み合わせていくと、
じつに「よい人生の時間を得られる」ことが分かってくるはずです。
ホリスティック医学やスローヘルス患者学とは、
けっして、いかがわしい「いのち学」ではないわけです。

さて、この本の中で、とくに僕が共鳴したのは、
「散歩とヒラメキ、散歩とトキメキ」という
「脳と創造性」の話です。
じつは、僕は、毎朝、1時間は、
近所の神社の森や公園を散歩するのですが、
これが無意識のうちに、事業や投資、
さらに著作に役立つ、いろいろな「ヒラメキ」をもたらすのです。
もちろん、ガンの再発不安を乗り越える
希望のトキメキをもたらしてくれるようなので、、
「散歩のヒラメキ」「散歩のトキメキ」は、
とても気になっていることでした。


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2006年9月18日(月)

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