元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1509回
胃ガン、食道ガンの疑いは「200人に一人」

食道ガンの話の続きです。
日本人のガン羅患率の上位は、
肺ガン、大腸ガン、胃ガン、肝臓ガンで
女性の場合は、これに乳ガン、子宮ガンがはいってきます。
欧米先進国型の高たんぱく、高脂質の
食事の過食飽食や過度のストレスがもたらす傾向のようです。
僕の罹った食道ガンの羅患率は、
ここにあげたガンに比べれば低いものですが、
やはり、美食、精神的ストレス、
さらに酒とタバコの過飲過煙などが積み重なって、
50代、60代の中年男女に激発しているようです。

ちなみに、胃ガンとそれに連なる食道ガンを合わせると
40歳以上の成人200人に1人が、
疑わしい症状にあるといわれています。

さて、食道とは、食物の通り道で、
口の奥から胃の入口までをさします。
その手術は、肋骨を押し開き、
肺や心臓といった生命維持装置の廻りを切り刻む
大掛かりな手術で、また、食道を全摘出した後は、
胃の神経をつぶしてナス型に細長くして、
代用食道として、喉の下に接合することになります。
胃ガンや大腸ガンの手術とは違って、
喉、胸、腹をいわば「三枚おろし」にする
10時間以上の大手術となります。

残された食道の端と胃の膜の厚さが、たとえて見れば、
障子紙とボール紙ほどの違いがありますから、
これを接合することも難しく、
術後、さまざまな後遺症、合併症で死ぬ率が高い、
膵臓ガンに次いで手術死亡率が高いガンなのです。
僕の知合いで食道ガンの手術を受けた半数の患者が、
接合不全で再手術したり、首に大きなコブを併発して、
リンパ腺の手術を受けたりしています。

ところがメディアでも、こうした食道ガン手術の惨状は
大学病院に“遠慮”でもしているのでしょうか?
なかなかずばりと解説していません。

僕が入院した8年前は、
ガンの専門書や家庭医学事典のような本が
治療選択の情報源でした。
いまでも忘れませんが、某有名出版社の
「家庭医学事典」に、
こんなことが食道ガンの項目には書いてありました。
「完全に治癒させることを目的に治療が行われるのですが、
治療の進歩によって、進行したガンでも
安全に手術できるようになり、
予後もよくなってきています」
藁にもすがる思いの食道ガンの患者としては、
コレを信じて手術に身を任せようとしていたわけです。
いま思えばトンでもない記事です。

まさにガン治療の選択肢は「運と縁」です。
ガンは情報戦です。
たまたまインターネットによる
ガン情報入手が始まったばかりのころで、
持ち込んだノートパソコンから、
僕は「食道ガン手術では100人のうち20人しか助からない」
という、厳しい5年生存率の情報を掴んだわけです。
さすがに、この家庭医学事典には、
患者だけでなく、
医療関係者からのクレームが来たのかもしれませんが、
いまでは内容改訂がなされたようです。

胃ガン手術の生存率は高いものですが、
ことに食道ガンは侮ってはなりません。
では、不運にも食道ガンを疑われたらどうしたらよいか?
お酒の暴飲暴食、タバコを吸いすぎている人は要注意です。
とくに中年男女に、
喉のガンや食道ガンを併発する危険をはらんでいますから
喉のガンや食道ガンから、
したたかに生還し、延命する方策について、
明日から解説していきたいと思います。


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2006年10月14日(土)

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