元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1536回
塩をめぐる「健康常識のウソ」

10月24日に新宿・明治安田生命ホールで開かれた
「海の精」株式会社※1の30周年記念講演会から
僕が感じた話の続きです。
食育基本法のみならず、この半世紀にわたって、
日本人の心身を蝕んで来た、
欧米栄養学、西洋医学の弊害といいますか、
「健康常識のうそ」が、少しずつ、明らかにされるので、
こうした医学セミナーや
健康セミナーはとても面白いと僕は思っています。

たとえば、食育基本法に則って、厚生労働省などでは、
食生活指針が作成されていますが、以下のような10か条です。

(1)食事を楽しみましょう。
(2)1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを。
(3)主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
(4)ごはんなどの穀類をしっかりと。
(5)野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて。
(6)食塩や脂肪は控えめに。
(7)適正体重を知り、日々の活動に見合った食事量を。
(8)食文化や地域の産物を活かし、ときには新しい料理も。
(9)調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく。
(10)自分の食生活を見直してみましょう

さあ、どうでしょう? 
とても総花的で素晴らしい「食の論文」と思いませんか?
でも、どうしたら具体的な食生活設計が出来るのか?
「ヒント」すら掴めないガイドラインだということに、
すぐ気がつくはずです。

全部の問題点を洗い出すわけには行きませんが、
たとえば、(6)の塩の取りすぎについても、
石原医師が、当日の講演で、
以下のような見方をしているのは面白いものでした。

石原さんには
「ガンも生活習慣病も体を温めれば治る!」という著書もあり、
「冷えは万病の元」という考え方には、
僕自身、体験的に賛同していますが、
いまや、ほんとうに体温の平均が
35.5度という人が増えているそうです。
このコラムで前に書いたことがありますが、
体温が一度下がると、40%免疫力が落ちるといいますから、
具合が悪くなると、湯たんぽでも、ビワの葉温灸でも、
梅醤番茶でも、あらゆる自然療法、伝統療法の知恵を
総動員して、この8年、延命してきました。
それはともあれ、過食、高脂質の食生活、冷房、運動不足、ストレス
などが複雑に絡み合って新陳代謝が鈍り、
体内に余計な水分が溜まって体が冷えるわけですが、
石原医師は、当日の講演会主題である自然海塩の話に絡めて、
「適度に汗を流して塩分を上手に摂ることが大切だ」
と説いておられました。

また講演会の最後に主催者である
「海の精」株式会社の代表取締役・村上譲顕さんが、
30年にわたって「自然海塩」を生産してきた立場から、
健康常識のウソや自然塩表示の問題、
さらに食育基本法の問題点をスピーチされましたが、
これまた、興味深いものでした。

「1971年、
イオン交換膜法という科学的な製塩法に変わってしまったのです。
その結果、昔から米塩の資といわれる塩が、
化学薬品のような成分になってしまいました。
というわけで、1976年 伊豆大島に製塩研究所の開設し、
塩専売法の壁にはばまれながらも、
新しい自然製塩法の研究を続け、
誕生したのが【自然海塩海の精】です。
しかし、世の中ますます「減塩、減塩」です。
塩という名の塩化ナトリウムは問題ですが、
自然海塩はまさにミネラルをたくさん含む、
自然なるいのちの源です。
いのちの低体温症に象徴される
一億総塩不足症候群の打破こそ、
塩運動のこれからのテーマです」

さらに、「塩をとりすぎると高血圧になる」というのも、
「塩=塩化ナトリウムである」という間違った
健康常識から蔓延したものだというのです。
「食育」とは、塩という食品ひとつを取り上げても、
現実には、とてもたくさんの問題点があるわけですね。


※1 http://www.uminosei.com


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2006年11月10日(金)

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