元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1547回
平均寿命が白寿(99歳)になる?

年末になって知り合いから
「喪中の挨拶状」がたくさん届きます。
大抵が、ご両親が90歳以上で亡くなられたという知らせですから、
昔ならば大往生をお祝いしたらよいわけですが、
その手紙のウラには長年の介護の
悲喜こもごもがこもっているようで
他人事のようには読めません。

僕の母も、老人性痴呆症、いわゆる認知症で、
もう三年まえに88歳で他界しました。
その悪戦苦笑?ならぬ悪戦苦闘の物語は
「母はボケ、俺はガン」という闘病記に書いたことがありますが、
人間、長生きすると最後を締めくくるのは
なかなか大変だなあという、
介護の悲哀も共にしました。

それにしても、日本人の寿命はホントウに長くなったものです。
では、いったい、日本人はどれほど長生きするのか?
“ピンピンころり”がいいなどと、
誰しもが、もはや冗談を飛ばしてはいられませんから、
なんとか「元気で長生き」の方策を探るためにも、
最近のデータをまとめて整理しておきましょう。

厚生労働省の平成16年簡易生命表によれば、
平均寿命は男女と5年連続最高を更新、
「男78.64年,女85.59年」というわけですが、
この報告書を読んでいると、日本人の平均寿命が
90歳を超える日も遠くない・・・と続けて書いております。

その年に生まれた者のうち半数が生存すると
期待される年数(寿命中位数)はというと,
「男81.57年,女88.34年」というのです。

さらに、もし、ガン、心疾患,脳血管疾患の三大死因が
克服されたと仮定したら、平均寿命は
「男97.38年,女93.53年」とありますから、
まさに、90歳で亡くなった、いや、94歳で他界したという、
僕のところに届いた「喪中の挨拶状」の内容は、
実年齢寿命の将来像を示していることにもなります。

平均寿命は0歳児の将来を計る算出法ですが、
実際に、昭和22年頃と比べると、
男女とも30年、いや40年近い伸びを見せているわけです。
これは日本人が長生きの遺伝子を持っている
というわけではなく、今の時代の衣食住の、
恵まれた環境生活が起因しています。
戦後、平均寿命が伸びたのは、
若いうちに死ぬ確率が小さくなったためです。
主な死因は、乳幼児の栄養不良や肺炎、
さらに青年の肺結核などの感染症で、
この面における医学の進歩と生活の改善が、
長寿社会をもたらしたわけですが、
逆に、いまは栄養過多による生活習慣病=
ガン、動脈硬化、高血圧、糖尿病を抱えて長生きする、
いわば長寿難病時代をもたらしたことになったわけです。

さて、前回紹介した、薬学界の「鬼部長」こと
富山医科薬科大学・名誉教授・堀越勇さんは、
もっとユニークな見解を自らのサイトで語っています。
日本人の平均寿命の差は若年層の若年死によるもので、
80才まで生き抜いた人については
戦前も現在もほとんど寿命に差はない、
だから、人間本来の寿命は必ずしも伸びたとはいえない・・・
と分析し、
むしろ、この恵まれた時代が続けば、
「百才から百十才程度になり、『白寿』 
これが日本人の平均寿命」と書いておられるではありませんか?

これは大変なことになってきました。
では、この長寿難病時代を
元気で長生きする秘策はあるか?
また、明日、もう少し踏み込んで考えて見ましょう。


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2006年11月21日(火)

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